2020年12月7日月曜日

BTHVN op.106: ピアノソナタ第29番 "Hammerklavier" ソコロフ ♪

「ベートーヴェンの全作品を聴く」プロジェクト《All BTHVN 🎧》、今回は Op.106 ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア 」変ロ長調(1816-18:46-48歳)。

この作品は好きな曲の一つだし、よく知っているつもりだったのだが、実は第1楽章のカッコよさと、第4楽章の素晴らしいフーガの印象しかなかったようだ。今回は「再発見」なのかも知れない…(^^;)。


Op.106

🎼 List of works by Ludwig van Beethoven


有名な曲であるし、改めて解説記事の要約をする必要はないと思うが、個人的に「そうなんだ…(^^)♪」と思ったことをいくつか…。

「ハンマークラヴィーア」の通称は、ベートーヴェンがドイツ語表記をするようになって「ハンマークラヴィーアのための大ソナタ」(Große Sonate für das Hammerklavier)と指定したことに由来する。他のソナタにも同じ表記があった筈なのに…(^^;)。

当時のピアノでは音域が不足していたので、1台のピアノでは弾けなかった。ベートーヴェンは、第1楽章~第3楽章をシュトライヒャーのピアノ(F1~f4)で、第4楽章をブロードウッドのピアノ(C1~c4)で作曲した。

第3楽章の冒頭 1小節(↓)は、曲が完成して印刷されようとするときに追加された。


以上、出典は Wikipedia


YouTube でお気に入り演奏を見つけるのに意外と時間がかかった。冒頭で提示される第1主題と第2主題の弾き方がしっくりくる演奏があまりなかったからだ。

ちょっと前にビデオで聴いたソコロフの演奏が素晴らしかったので、"sokolov" で検索するといくつかの音源が見つかった。一番気に入ったのは少し古いこの演奏。


ソコロフも年代によって弾き方やテンポは少しずつ違っている。新しい演奏はややゆっくり目のテンポをとっているように見える。


ちなみに少し前に聴いたビデオはコレ(↓)。Amazon の Prime Video で聴いた ♪

Grigory Sokolov - Recital at the Berliner Philharmonie 2013




おまけ。実は上のビデオを聴いたときに第3楽章あたりでウトウトしてしまったのだが、それを言い当てている解説記事(↓)があって思わず笑ってしまった…😅

この記事はとても納得できる内容で、まさに私の「再発見」の理由を言い当てているような気がする。つまり、すごい曲・傑作であるが長大で難解。ゆえに一般にはあまり人気は高くない、でも素晴らしい…。要約は無理なので興味ある方は下記をどうぞ…(^^;)。



もう一つだけ、個人的に思ったこと。

この曲は冒頭からして、とてもオーケストラ的であるし、交響曲の響きを感じる。ベートーヴェンはオーケストラのシンフォニックな響きを、1台のピアノで表現しようとしたのではないだろうか?

少なくとも、ピアノの可能性を最大限に引き出そうとしているように感じる。もしかすると、未来のピアノとピアニストの可能性さえ見据えていたのかも知れない…(^^)♪

なぜなら、当時のピアノでは音域が足りず、当時のピアニストで弾ける人はいなかったようなのだ。でも、ベートーヴェンは「50年経てば人も弾く!」(弾けるピアノもピアニストも登場する)と言ったそうだ。


さらにもう一つ、蛇足…(^^;) ?

この曲は、ベートーヴェンのピアノソナタで唯一メトロノーム記号が指定してある。…が、第1楽章の「二分音符 = 138」は極端に速く、誤記であるとするピアニストもいるようだ。

この指定のせいかどうか分からないが、中には「速すぎるだろ〜」と思う演奏もある。例えば、イゴール・レヴィットのこの演奏(↓ 38:00〜)。




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