2020年12月25日金曜日

BTHVN op.131: 弦楽四重奏曲第14番 素晴らしくいい曲…(^^)♪

「ベートーヴェンの全作品を聴く」プロジェクト《All BTHVN 🎧》、今回は Op.131 弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調(1825-26:55-56歳)。

おそらく初めて聴くような気がするのだが、とても気に入ってしまった…(^^)♪


Op.131

🎼 List of works by Ludwig van Beethoven


弦楽四重奏曲第12番、第13番、第15番のいわゆる「ガリツィンセット」を完成させた後に、ベートーヴェン自らの意志で作曲したのがこの第14番。

ベートーヴェン自身、作品の出来に満足していたようで、「新しい作曲法だ、神に感謝しないと。以前に比べて、まだ創造力は衰えていないよ」と友人に語ったと伝えられている。

この曲を聴いて、シューベルトは「この後に、私たちは何を書けるんだ?」と言い、シューマンは「言葉にならない。人間の芸術と創造で成し遂げられる極限にきている」と語ったそうだ。また、ワーグナーは第1楽章について、「音をもって表現しうる最も悲痛なるもの」と評したとのこと。


7楽章からなる 40分近くかかる大曲だが、連続して演奏されるため一つの楽曲のようにも感じられる。第1楽章を長い序奏、短い第3・第6楽章を楽章連結の経過句と見ると、基本的には 4楽章構成と見ることもできるようだ。

途中、活き活きとしたロンドやスケルツォ的楽章、そして最終楽章の行進曲風のテーマもあるのだが、個人的には精神性というか、静かな弦の響きの中に自由に楽想を羽ばたかせているベートーヴェンの心のようなものを感じる。

以上、主な出典は下記。




YouTube で聴いたのはこの演奏(↓)。Takács Quartet(タカーチ弦楽四重奏団)による、2003年の録音。何度聴いても飽きないいい演奏だと思う。


Takács Quartet(タカーチ弦楽四重奏団)は、1975年にハンガリーのリスト音楽院のアンドラーシュ・ミハーイに師事する学生たちによって結成された。

1977年にエヴィアン、ポーツマス両国際コンクールで優勝したことで注目を浴びた。

数々の録音が賞を受賞しており、『ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集』は2005年BBCミュージック・マガジンのディスク・オブ・ザ・イヤー、室内楽賞に選ばれ、グラモフォン・アワードや日本レコード・アカデミー賞も受賞している。

また、2012年には J.ハイフェッツや L.バーンスタインといった錚々たる音楽家と並び、弦楽四重奏団としては唯一グラモフォンへの殿堂入りを果たした。

現在はアメリカ合衆国のコロラド州ボルダーを拠点としている。

当初のメンバーは下記。

ガーボル・タカーチ=ナジェ :Vn1
カーロイ・シュランツ :Vn2
ガーボル・オールマイ :Va
アンドラーシュ・フェイエール :Vc

途中何度かメンバーの入れ替えがあり、現在は下記メンバー。

Edward Dusinberre :Vn1
Harumi Rhodes :Vn2
Richard O'Neill :Va
András Fejér :Vc


おまけ。Amazon ページのコメントから。

上で紹介した、ディスク・オブ・ザ・イヤー等を受賞した CD(↓)に関するコメント欄がちょっと面白くて参考になったので、一部引用させて戴く。


ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集




「タカーチの最高傑作」という評価もある一方で、ちょっと辛辣なコメントもあり、そちらの方が何も知らない私にはとても参考になった。例えば…。

ベルク、スメタナ、ラサール、ベルリン。それらより、優れて説得力のある演奏にはなっていません。ベルク、ラサールの壁は高い」

「全集のファースト・チョイスなら、アルバンベルクの新盤、ズスケのセット、ブダペストはこれらに比べれば、録音・技術も劣りますが、ベートーヴェンのカルテット史の金字塔として推薦したいです。ここに、カペーブッシュ、面白いところではクリングラーレナーの録音を散りばめつつ、ケッケルトのモノラルのセットを大推薦」


いやぁ〜、オススメの弦楽四重奏団というのは沢山あるのですね…(^^;)。



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