2020年12月24日木曜日

BTHVN op.130/133: 弦楽四重奏曲第13番/大フーガ、テツラフ四重奏団の演奏がいい ♪

「ベートーヴェンの全作品を聴く」プロジェクト《All BTHVN 🎧》、今回は Op.130 弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調(1825/1826:55/56歳)。…と、もともと Op.130 の最終楽章だったものを独立させた Op.133「大フーガ(Große Fuge)」変ロ長調。

この曲で初めて聴いたテツラフ四重奏団(Tetzlaff Quartet)の演奏が良かった ♪


Op.130/133

🎼 List of works by Ludwig van Beethoven


弦楽四重奏曲第12番、第13番、第15番は自身もチェリストであったロシアの貴族ニコライ・ガリツィン伯爵に献呈されており、「ガリツィンセット」と呼ばれる。

3曲とも1825年に完成されたが、完成された順番は第12番、第15番、第13番。


この第13番には 2つの版が存在する。

1825年版の最終(第6)楽章には「大フーガ」が置かれていたが、難解すぎる、演奏が難しいということで、現在の「アレグロ」に置き換えられた(1826年版)。

このアレグロは、ベートヴェンが生前完成させた最後の作品となった。改作前の終楽章は、後に単独で「大フーガ Op.133」として出版された。

最近では、最初の版の終楽章(大フーガ)が見直されており、1825年版での演奏も増えているようだ。今回、私のお気に入り演奏になったテツラフ四重奏団も 1825年版 ♪



最初、YouTube ではお気に入りの演奏が見つからず、Spotify で探したところ、テツラフ四重奏団(Tetzlaff Quartet)の演奏(↓)に出会った。今年の春にリリースされたもの(録音は 2019年秋)。弦の響き・アンサンブルが見事 ♪


テツラフ四重奏団は、ヴァイオリニストのクリスティアン・テツラフ(Vn)とその妹ターニャ(Vc)を中心に、元バンベルク交響楽団のコンサート・ミストレス、エリーザベト・クッフェラート(Vn)とチューリッヒ歌劇場管弦楽団の首席、ハンナ・ヴァインマイスター(Va)をメンバーとして、1994年に結成された。

ヨーロッパの音楽祭の常連であり、その演奏は「ドラマティックでエネルギッシュ」と高く評価されている。2014年に初来日。詳しくは下記。




あとで YouTube を検索("Tetzlaff Quartet" を入れて…)すると、音源があったのだが、楽章ごとに分かれていて、しかもそれぞれに CM が入ってしまう…残念…(^^;)。

第1楽章と、ベートーヴェンが残した最も美しい音楽と称えられる第5楽章 "Cavatina"(カヴァティーナ)と「大フーガ」のリンクだけ挙げておく。


感想としては、多くの人が絶賛するほどこの作品の良さが分かっていない…というのが正直なところ。この曲を味わうだけの能力?が私にはまだないのだろう。

第5楽章 "Cavatina" も美しいと思うし、難解とされた "Große Fuge" もなかなかいいと思う。でも、全体で 40〜50分かかる弦楽四重奏曲を十分に味わうには、まだまだ修行が足りない?ようだ…(^^;)。

ただ、ほとんど聴覚を失ったベートーヴェンが、こんな作品を作ったことには、改めて驚嘆するしかない ♪


ちなみに、上にあげた e-onkyo の記事 にはこんな解説(↓)が載っている。こんな文章はなかなか書けない…(^^;)。


半音階モチーフ(B♭-A/A♭-G)で幕を開け、色合いを変えながら展開する第1楽章が美しい。この種の動機は、第14番(Op.131)、第15番(Op.132)においても見られる。

颯爽と駆け抜ける第2楽章に続く、遅くも早くもなく、情緒豊かなたっぷりとしたテンポの上で、音が生き生きと動きまわる第3楽章。

南ドイツの舞曲風の第4楽章を橋渡しにして、第5楽章がこの作品の1番の聴きどころ、ベートーヴェンが残した最も美しい音楽と称えられる、かの「カヴァティーナ」である。ベートーヴェン自身、涙の中で作曲したという思い入れの深い曲であり、そのメランコリックな充実した和声、旋律の無上の美しさには、ただ言葉を失い、心奪われる。

…この弦楽四重奏曲第13番も、彼がほとんど完全に聴力を失った中で書かれた作品であるが、混ざり物のない静かな世界から生まれ出た音楽の透明感を、曲の端々から感じ取ることができる。



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