2018年12月26日水曜日

2018年ぴあのピアノ10大ニュース(2/2)

今年2018年の「ぴあのピアノ界」の10大ニュース、昨日の第1位から第5位に続き、第6位から第10位を挙げてみる。


6. 中国の急成長


2017年の10大ニュースにも取り上げたが、来年2019年にはいよいよ中国の天津にジュリアード音楽院(分校)がオープンする。今年も、何かと中国が元気だったようだ。

なにせ、中国はピアノの生産台数・保有台数とも世界一。いまや KAWAI の筆頭株主も中国企業になっているし、YAMAHA も中国市場に一番力を入れているようだ。

調律師も日本では減りつつある一方で、中国では調律師育成事業などが始まっている。コンクールでのピアニストだけでなく、製造者や調律師も中国が目立つようになる…?

《ピアニストも調律師もこれからは中国人の時代?》


「4. 国際ピアノコンクールの今後」でも挙げたが、国際ピアノコンクールの世界でも、中国の存在感が大きくなっていくのかも知れない。

《国際音楽コンクールのトレンド:中国が急成長?》


Harbin Grand Theater 外観


7. ネット時代のピアノ音楽環境


ピアノに限らず音楽をネット(YouTube、NAXOS、Spotify 等)で聴くようになって久しいが、その環境はますますネット中心になっているような気がする。それに合わせて、ピアニストの活動もずいぶんとネットに進出してきた。

個人的なことになるが、IMSLP の特典であった NAXOS の CD聴き放題がなくなって、やむなく Spotify を試してみたのだが、これが予想以上に使いでがありとても満足している。ただし、PCユーザ限定かも知れない。

《Spotify はクラシック音楽ファン必携!かも ♪》

他にもこんなもの(↓)もあり、もはや CDプレーヤーは必要ないのかも…。

《ピアノ音楽専門レーベル Piano Classics のCDが70枚聴ける!♪》


ピアニストでは、ジュネーヴ国際ピアノコンクールに出場したティファニー・プーンが自らの Vlog(動画ブログ)で準備状況などを報告してくれたりして面白かった。まぁ、面白いだけでピアノの上達とかにはあまり役に立たないが…(^^;)。

《Tiffany Poon の実況中継:ジュネーヴ・ピアノコンクール 2次は?》


一方で、福間洸太朗さんの『動画で楽しむ楽曲解説』はピアノ曲鑑賞にもピアノの練習にも役に立つシリーズだと思う。

《「福間洸太朗の動画で楽しむ楽曲解説」がなかなかいい ♪》




8. 年寄り頑張る


自分がシニア年代であるせいか、高齢のピアニストの活躍はどうも気になる…(^^)♪

2016年に『シーモアさんと、大人のための人生入門』という映画を観て以来、ファンになったシーモアさん(セイモア・バーンスタイン)であるが、今年は90歳のインタビュー動画と遭遇した。

《シーモアさん90歳のインタビュー「今が一番うまく弾ける♪」》


4月に来日してサントリーホールでの初リサイタルを行なったルース・スレンチェンスカさんは何と93歳!お元気そうだ。

《93歳ルース・スレンチェンスカ、サントリーホール初リサイタル ♪》




でも、上には上が…。ピアノ教師のコレット・マゼさんは、103歳でCDをリリースするという元気さ…(^^;)! アルフレッド・コルトーや ナディア・ブーランジェに師事した方らしい。

《103歳のピアニストがCDリリース!ピアノ健康寿命は何歳?》


有名人としては、イェルク・デームスが 11月28日紀尾井ホールで 90歳記念のリサイタルを開いている。私もこういう人たちにあやかりたいものだ…(^^)♪

✏️イェルク・デームス 90歳記念ピアノリサイタル


9. ピアノ楽器の進化


クリストフォリによって 49鍵のピアノフォルテが作られて以来、キーの数はどんどん増えて 88鍵に落ち着いた。その数が 108鍵になったからといって、ピアノが「進化」したとは言えないのだろうが…。

《Stuart & Sons が作った 108鍵のピアノ…(^^)!》

でも、映画『プーと大人になった僕』で使われた "MRP"(Magnetic Resonator Piano)というピアノには、正直驚いてしまった。このピアノのための曲も作られているらしい。

磁気で弦を震わせることによって共鳴板から音を出す。電磁気は使うが音は完全にアコースティックなものだ。弦楽器のように一つの音でクレッシェンドすることも出来る。説明すると長くなるので詳しくは下記の記事をどうぞ…。

《プーと大人になった僕とMRP:弦楽器のような?ピアノ♪》




ちょっと面白い「AIピアノ」というのもあった。8つのキー(ボタン)を操るだけで "AI" が勝手に曲を作ってくれる…のだが、まだ「おもちゃ」の領域かな…(^^;)?

《8鍵(ボタン)AIピアノで誰でも即興演奏ができる!♪》


新デザインのピアノもときどき出てくるが、今年はスタインウェイとファツィオリ。

《スタインウェイの限定モデル:Elbphilharmonie Limited Edition ♪》




10. ピアニストたちの動向


今年も残念なことに、故障者とかキャンセルが相次いだ。トリフォノフの来日中止は、チケットを買うつもりにしていたので本当に残念だった。

3月
《news: マレイ・ペライア、春のUSツアーをキャンセル》

✏️ユジャ・ワン、インターミュジカに移籍(ねもねも舎)


おまけ(番外編)

10大ニュースには選ばなかったけれど、何となく気になるニュースを3つほど。

《シューマン記念館@デュッセルドルフが2020年に博物館に ♪》

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