読書メモ: 「ピアノ・ノート」 第6章 レコーディング
(※ほぼ割愛)
レコーディングに関する興味ある話が盛りだくさんである。
スタジオ録音では、思ったより頻繁に「テープ・スプライシング」、つまり何度か録音したものの切り貼りが行われている、とか。マイクの置き方一つで音質や音響が大きく変わるため、苦労する話など。この章も読み物としては面白く、とてもお薦めなのだが、まとめるのは無理なので「ほぼ割愛」とさせて戴く。
ただ一つだけ、目からウロコというか、なるほどと思ったことがある。ポピュラー音楽(ロック音楽)のレコード(やCD)が、生演奏を聴くことの代用品ではなく、その録音そのものが「本物」というか「創造物」であるという説明。
たしかに、ポピュラー系の音楽はレコーディングにさまざまな音響効果や電子的な細工がなされており、聴く方もそれが「正しいもの」と思ってCDを聴いている。
クラシック音楽とポピュラー音楽の違いがこんな点にもあるということはとても面白いと思った。
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クラシック音楽のレコードは複製品(生演奏の代用品)である。
…
ロック音楽のレコードは複製品ではなく、創造物である。この種のポピュラー音楽では、録音機器によってのみ得られる新しいサウンドの実現がつねに理想とされる。(コンサートの方がむしろ複製品)
注:緑色の文字は引用部分(数字はページ番号)、赤い文字は私が強調したもの