今日は、その中でもとくに印象に残った、今後も期待できそうな(私のお気に入りピアニストになりそうな)何人かをご紹介したいと思う。
バッハのピアノ作品(鍵盤作品)を調べたり、ピアニストの聴き比べをしながら、その感想などをコツコツと書いた記事を《J.S.Bach の鍵盤音楽》にまとめてある。
その記事をざっと見て、今回新しく知った主なピアニストの名前を並べてみたら 11人になった(後述)。その中で、とくに気になるピアニストを選んだのが上の写真の 4人。
以下、順不同(BWV順?)で簡単にご紹介。
アンドリウス・ズラビス(Andrius Žlabys、リトアニア、1977 - )
アンデルシェフスキで決まりかと思っていた「イギリス組曲第5番」で見つけたピアニスト。ピアノの音がしっかりしていてきれいだし、音楽の流れやリズム感も素晴らしい ♪
作曲家でもあるので、2曲ほど聴いてみた。「現代音楽」的な感じではなく、情緒的な部分を感じさせる曲で悪くないと思う。
本人サイトは下記。
この人も、「フランス組曲第5番」でアンデルシェフスキに次いで気に入ったピアニスト。柔らかく躍動する、よく響くピアノの音が魅力。
若い頃は目立った存在ではなく、2005年(32歳)のカーネギーホールでの「ゴルトベルク変奏曲」、および 2007年発売の同曲のデビューCD(↓)で一躍注目されるようになったピアニスト。ジュリアード音楽院でピーター・ゼルキンに学んでいる。
Ji(Ji-Yong Kim、韓国、1992 - )
米国のジュリアードで学び、クラシックだけでなくソウル・ジャズ・フェスティバルでも活躍するなど、ジャンルを超えてその才能を発揮しているピアニスト。
✏️Ji-Yong Kim (Piano)(Bach Cantatas Website)
その「規格外」の CD は下記。バッハや「ゴルトベルク」が好きな人にも一度は聴いてほしいと思う。初めて「ゴルトベルク」を聴く人にはオススメできないかも…(^^;)?
「フーガの技法」を録音している 30人ほどのピアニストの中から 10人を選んだ中の一人。この中では一番新しい録音(2023年 8月)。CD のリリースは今月下旬あたり。
ポーランド現代音楽協会のメンバーで、古楽と現代音楽の両方で活動しているピアニスト。ヤン・コハノフスキ大学の教授でもある。
演奏は、この作品が最初から現代ピアノ向けに書かれたのでは?…と思うくらいピアノの豊かな響きが印象的で、ちょっと個性的かも知れない ♪
この 4人以外のピアニストと関連記事を挙げておく。
シャガエグ・ノスラティ(Schaghajegh Nosrati、独、1989 - )は、アンドラーシュ・シフと共演したりもしている。
ゲルリンデ・オットー(Gerlinde Otto、独)。録音は少ないが、この平均律第2巻はお手本の一つとなるような素晴らしい演奏。
アマンディーヌ・サヴァリ(Amandine Savary、仏、1984 - )とステパン・シモニアン(Stepan Simonian、露、1981 - )は派手ではないが、いい演奏を聴かせてくれる。
バベッテ・ヒアホルツァー(Babette Hierholzer、1957 - )は、ロベルト&クララ・シューマンを得意としているピアニストのようだ。
アンドレイ・ヴィエル(Andrei Vieru、ルーマニア、1958 - )は作家・哲学者でもあるピアニスト。派手さはないが、いつの間にか聴き入ってしまうような自然体の演奏。
ホルガー・グロショップ(Holger Groschopp、独、1964 - )はブゾーニに定評のあるピアニスト。今回も気に入ったのはブゾーニの編曲。
エカテリーナ・デルジャヴィナ(Ekaterina Derzhavina、露、1951 - )のバッハも初めて聴いたが、ややクセがあるものの曲によってはなかなかいい。
イングリット・ヘブラー(Ingrid Haebler、オーストリア、1929 - 2023)は名前だけ知っていて、ほとんど聴いたことはなかったが、彼女のバッハも地味ながらいい感じだと思う ♪
コンクールなどで何度か聴いているケネス・ブロバーグ(Kenneth Broberg、米、1993 - )だが、このクライバーン・コンクールでのトッカータは名演奏と言っていいと思う ♪
おまけ2。「『インヴェンションとシンフォニア』に新たな命を吹き込む」シュ・シャオメイ(Zhu Xiao-Mei、朱曉玫)の名演奏。
バッハの「インヴェンションとシンフォニア」は難しい練習曲くらいにしか思っていなかったが、今回シュ・シャオメイの CD(↓)を聴いて、この曲が鑑賞に値する素晴らしい作品であることを認識した。一聴に値する一枚だ ♪
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