First edition: Leipzig, 1731 |
「バッハの鍵盤組曲は《6つのパルティータ》でひとつの頂点に達する。彼は《フランス組曲》において、伝統的舞曲を新たにとらえ直し、鍵盤楽器の新しいテクスチュアを考案し、さらには模倣対位法とは対照的なギャラント的な旋律と和声を多く用いる、といったさまざまな試みを行っていた。こうした試みはまさにこのパルティータにおいて結実するのである」(出典:『バッハの鍵盤音楽』)
パルティータはバッハが初めて出版した鍵盤作品である。1726年に第1番、1727年に第2番と第3番、1728年に第4番、1730年に第5番を個別出版。1731年に修正の上に合本とし「クラヴィーア練習曲集 第1部」(Clavierübung)として出版された。
バッハのパルティータともなると、実に多くのピアニストが演奏・録音している。ざっと検索しただけでも全曲録音 16人、一部録音 6人が見つかった(後述)。
この中からお気に入り演奏を探すのは至難の技?…というより、曲がいい(好み)というせいもあるのだろうが、どのピアニストもなかなかに魅力的な演奏を聴かせてくれる ♪
演奏の選別やランキングが目的ではないので、気にはしていないのだが、自分の好み(の本当のところ)を理解したい…という気持ちもあり…贅沢な悩みは深まるばかり…(^^;)?
結果的には、これまでとほぼ変わらず。一番のお気に入りはやはりピョートル・アンデルシェフスキ(Piotr Anderszewski、ポーランド、1969 - )…(^^)♪ この引き込まれる感じと説得力・魅力は素晴らしいと思う。
そして同率一位といったところで、マリア・ジョアン・ピリス (Maria João Pires、ポルトガル、1944 - )さんの何度も聴いている音源。こちらも素晴らしい ♪
全曲録音しているピアニストからも誰か選ぼうと思って、また新しいピアニストを発見した。他にも同じくらい気に入った演奏もあったが、新しい「出会い」ということで…。
「ライプツィヒ国際バッハ・コンクールで第2位に輝いたドイツの若きバッハ弾き!」と下記記事に紹介してあるシャガエグ・ノスラティ(Schaghajegh Nosrati、独、1989 - )。
やや骨太の印象もあるが、なかなかに聴かせる演奏だ ♪
(BWV825:トラックNo. 15〜20)
参考:パルティータを全曲録音をしているピアニスト
- グレン・グールド:1955-82(sony)
- イェルク・デムス:1962-63
- アレクシス・ワイセンベルク:1966
- タチアナ・ニコラーエワ:1980
- アンドラーシュ・シフ:1983, 2007(ECM)
- リチャード・グード:4(1997)/ 2,5(1998)/ 1,3,6(2002)
- シュー・シャオメイ:1999
- ウラディーミル・フェルツマン:1999
- ジャンルカ・ルイージ:2005-07
- マレイ・ペライア:2007-09
- ウラディーミル・アシュケナージ:2009
- イゴール・レヴィット:2014
- ユアン・シェン:2015
- コルネリア・ヘルマン:2016-17
- アンジェラ・ヒューイット:2018
- シャガエグ・ノスラティ:2019
その他、パルティータを録音しているピアニスト
- マリア・ジョアン・ピリス:1(1994)
- ピョートル・アンデルシェフスキ:1,3,6(2002)+2(Carnegie Liive/2008)
- ダヴィッド・フレイ:4(2007)/ 2,6(2012)
- ジェレミー・デンク:3,4,6(2010?)
- ラファウ・ブレハッチ:1(2012)/ 3(2015)
- マルタ・アルゲリッチ:2
- BWV825 パルティータ第1番 変ロ長調
- BWV826 パルティータ第2番 ハ短調
- BWV827 パルティータ第3番 イ短調
- BWV828 パルティータ第4番 ニ長調
- BWV829 パルティータ第5番 ト長調
- BWV830 パルティータ第6番 ホ短調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️パルティータ (バッハ)(Wikipedia)
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