「フランス組曲」の第1〜4番と第5番の断片は、1722年の「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳(第1集)」に含まれている。今日知られている 6曲の曲集としてまとめられたのは 1725年頃と考えられている。
参考《バッハ「フランス組曲」の基礎知識と各曲難易度》
今回は「フランス組曲を全曲録音をしているピアニスト」(後述)の中からこれまでにあまり聴いていないピアニストを何人か聴いてみた。結果、結構な確率で私の好みの演奏に出会えた…という嬉しい驚き…(^^)♪
イングリット・ヘブラー(Ingrid Haebler、オーストリア、1929 - 2023)は「昔の」有名なピアニストだと思っていたら、亡くなられたのは昨年の 5月(93歳)。フランス組曲の録音は 1980年だが、音質も良く、演奏も古さを感じさせない活き活きとしたものだ ♪
ウラディミール・フェルツマン(Vladimir Feltsman、露、1952 - )も名前は知っているがあまり聴いたことのないピアニストの一人。今回挙げた 3人の中で一番気に入ったかも ♪
かっちりしているのに叙情的、ピアノの音色もソフトな感じはないのに弾力に富んでいる…という、不思議な魅力を持つ演奏だ。まだ十分につかめてない…(^^;)?
(BWV814:トラックNo. 14〜19)
3人目のセルゲイ・シェプキン(Sergey Schepkin、米/露、1962 - )は初めて聞く名前で…と書きかけて、念のために自分のブログを検索してみたら 2016年に出会っていた、しかもフランス組曲を聴いていた…(^^;)。
同じ年の初めには、『グレン・グールドと32人のピアニスト』(真嶋雄大 著)という本で、セルゲイ・シェプキンという名前を(たぶん初めて)見ている。
今回は名前をちゃんと覚えよう…。
…で、2016年にフランス組曲を聴いたときの感想は、「艶やかに響くピアノの音が魅力的なフランス組曲である。個人的にはシフのバッハがお気に入りなのだが、それに比べるとやや男性的なきっぱりとした印象…」と書いている。
で、今回書いたメモは「しっかりした音でメリハリよく響くピアノの音色。この第3番はこのくらい元気な溌剌とした演奏が合っているようだ」…。
当たり前かも知れないが、あまり変わっていない…(^^;)。
(BWV814:トラックNo. 14〜20)
ネットの記事には、「名バッハ弾きとして有名な」フェルツマン、「2007年3月来日公演でのゴルトベルク変奏曲の演奏が大評判となった」シェプキン…などと書いてあるので、この先、この「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクトでも気にかけていようと思う。
ちなみに、イングリット・ヘブラーはモーツァルトを得意としたピアニストのようだ。
ピアノによる録音があまりに多いのでチェンバロまで聴く余裕がなかったが、今回はキース・ジャレット(Keith Jarrett、米、1945 - )がチェンバロで弾いている CD を見つけた。なかなかいい感じ ♪ ただ、YouTube には音源がなく、Spotify で聴いた。
参考:フランス組曲を全曲録音をしているピアニスト
- グレン・グールド:1971-73
- イングリット・ヘブラー:1980
- タチアナ・ニコラーエワ:1984
- アンドラーシュ・シフ:1991, 2010 等
- アンドレイ・ガヴリーロフ:1993
- アンジェラ・ヒューイット:1995
- ウラジーミル・フェルツマン:2005
- エフゲニー・コロリオフ 2006
- セルゲイ・シェプキン:2011
- アンドレア・バッケッティ:2012
- コルネリア・ヘルマン:2012/2014
- マレイ・ペライア:2013
- エカテリーナ・デルジャヴィナ:2014
- シュ・シャオメイ:2016
- ウラディーミル・アシュケナージ:2017
- イリーナ・メジューエワ:2021
その他、ピリスの 2番、リヒテルの 2番、4番、6番、アンデルシェフスキ、ケンプ、シモーヌ・ディナースタインの 5番などもある。
『バッハの鍵盤音楽』 第14章「《フランス組曲》」BWV812〜817 と関連組曲 BWV818、BWV819。
- BWV818 組曲 イ短調
- BWV819 組曲 変ホ長調
- BWV812 フランス組曲第1番 ニ短調
- BWV813 フランス組曲第2番 ハ短調
- BWV814 フランス組曲第3番 ロ短調
- BWV815 フランス組曲第4番 変ホ長調
- BWV816 フランス組曲第5番 ト長調
- BWV817 フランス組曲第6番 ホ長調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️フランス組曲 (バッハ)(Wikipedia)
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