「アンドレアス・バッハ本」に含まれる。10小節の「幻想曲」はこの資料にしかなく、他の資料ではほとんどが「フーガ」単独となっている。
*
*
*
*
*
チェンバロはオランダ・バッハ協会の音源。演奏は Emmanuel Frankenberg、使用楽器は "Nico van der Waals, 1977 after J.D. Dulcken"。
*
『バッハの鍵盤音楽』の第9章「ヴィルトゥオーソ・フーガ」に含まれる作品は下記。
*
出典:
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️バッハ :幻想曲とフーガ イ短調 BWV 944(PTNAピアノ曲事典)
【関連記事】
《J.S.Bach の鍵盤音楽》
《Bach.KB.BWV904:幻想曲とフーガ イ短調、やはりブレンデルがいい ♪》
「フーガ」(↑)は、絶え間なく動き回る 16音符のテーマを用いた無窮動的な長い曲で、演奏者の解釈の仕方と技量を問われるヴィルトゥオーソ性の高いものになっている。
聴く方からするとそこが面白いのだが、弾く方は大変かも知れない。『バッハの鍵盤音楽』の著者、シューレンバーグの次のコメントはその通りだと思う。
「16 音符の刻みがただ機械的なぼんやりしたものになってしまうよりは、少し遅めのテンポをとって、折々にリズムのニュアンスを出した方がよい」
「幻想曲」(↓)は和音だけが書かれて "Arpeggio." という指示がある「アルペッジャンド」となっており、即興の枠組みか初期の原稿である可能性もある。バッハはこの「幻想曲」の公表を差し止めたという説もあるようだ。
色んなピアニストが弾いているので、聴き比べが楽しかった ♪ とくにフーガ部分はテンポからタッチから、解釈によって大きく違いが出る。
ガイル・ベ(Gile Bae、オランダ、1994 - )というピアニストは軽い感じ。
ジョアン・カルロス・マルティンス(João Carlos Martins、ブラジル、1940 - )は、一つ一つの音がゴツゴツしていて重みのある感じ。
(BWV944:トラックNo. 1〜2)
で、私の好みは「中庸」というか、あまり速くなくしなやかでニュアンスに富んだ演奏になるようだ。上で引用したシューレンバーグの意見に近い。
その中で一番気に入ったのはラファウ・ブレハッチ(Rafał Blechacz、ポーランド、1985 - )だ。ブレハッチのバッハはあまり聴いた覚えがない…。
(BWV944:トラックNo. 14〜15)
その他、初めて聞く名前のピアニストで比較的気に入った演奏は以下の二つ。
ベルナデーネ・ブラハ(Bernadene Blaha、カナダ)
ティムール・セルゲーニア(Timur Sergeyenia、ベラルーシ、1969 - )
『バッハの鍵盤音楽』の第9章「ヴィルトゥオーソ・フーガ」に含まれる作品は下記。
- BWV904 幻想曲とフーガ イ短調
- BWV944 フーガ イ短調
- BWV894 前奏曲とフーガ イ短調
- BWV903 半音階的幻想曲とフーガ ニ短調
- BWV906 幻想曲とフーガ ハ短調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️バッハ :幻想曲とフーガ イ短調 BWV 944(PTNAピアノ曲事典)
【関連記事】
《J.S.Bach の鍵盤音楽》
《Bach.KB.BWV904:幻想曲とフーガ イ短調、やはりブレンデルがいい ♪》
0 件のコメント:
コメントを投稿