鍵盤楽器(2手)で弾けるとはいうものの、ご覧のように(↓)元は 6段の楽譜になっている。弾くのは見るからに大変そうだ…(^^;)。6つの楽器で演奏している音源もある。
《J.S.バッハ「音楽の捧げもの」とは》
この曲は、演奏するのも大変だと思うが、聴くのもある意味大変だ。いくつものピアノ演奏を聴いてみたが、正直に言うと「退屈」なものが多い…(^^;)。
曲自体の評価は「精緻を極めたフーガ」などとすこぶる高いのだが…。
フリードリヒ大王から出された「このテーマを使った 6声のフーガを即興で演奏せよ」という無理難題にその場で応じることが出来なかったバッハが、悔しくて?…後日(たぶん)渾身の力を込めて作った自信作なので、力作なのだとは思う。
この作品の良さを引き出せている演奏が少ないだけなのかも知れない。
一番気に入ったのは、チェンバロ、フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバという構成の「クイケン・アンサンブル」の演奏。
♪ Musikalisches Opfer (Musical Offering) , BWV 1079: Canones diversi sopra Thema Regium: Ricercar a 6
このアルバム(↓)に入っているもの。
ちなみに、アントン・ウェーベルンが管弦楽用に編曲した有名な楽曲があって、これもとても評判が良く、かなり人気もあるようなのだが、金管の響きが耳につくので個人的にはあまり好きではない。
「音色旋律」という考え方で、8小節からなる主題を7つの動機に分解して、それらをトロンボーン、ホルン、トランペットに交互に演奏させるようなことをやっているそうだ。
…が、聴いている方からすると音楽としての説得力があまり感じられず、解説を聞いても単なる「頭でっかち」としか思えない。この曲が好きな方、ごめんなさい…(^^;)。
代わりに?オーケストラ版でとても気に入った演奏をご紹介しておく。カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団による演奏。
ピアノのお気に入り演奏を探すのにも苦労した。比較的気に入ったものを挙げておく。
一人目は初めて聞く名前だが、アンドレイ・ヴィエル(Andrei Vieru、ルーマニア、1958 - )という、作家・哲学者でもあるピアニスト。父のアナトール・ヴィエルは作曲家。
とくに目立つ特徴はないのだが、自然に聴き入ってしまうような自然体の演奏。
アルバム全体はコレ(↓)。
♪ J.S. Bach: Musikalisches Opfer, Op. 6, BWV 1079 (Arr. for Piano) /Konstantin Lifschitz:アルバム
💿J.S. バッハ:音楽の捧げもの、前奏曲とフーガ《聖アン》(リフシッツ編) 、フレスコバルディ/トッカータ集
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他にも、タチアナ・ニコラーエワやラミン・バーラミなどが録音している。
♪ J.S. Bach: Musikalisches Opfer, Op. 6, BWV 1079 (Arr. for Piano) /Konstantin Lifschitz:アルバム
💿J.S. バッハ:音楽の捧げもの、前奏曲とフーガ《聖アン》(リフシッツ編) 、フレスコバルディ/トッカータ集
エフゲニー・コロリオフ(Evgeni Koroliov、露、1949 - )は、クルターグ・ジェルジュ編曲のものを録音している。
あと、コンクールなどでも弾かれていて音源の数はそれなりにあるのだが、個人的な感想としては、最後まで聴きたいと思うような演奏にはあまり出会えなかった。
チェンバロは、オランダ・バッハ協会の Leo van Doeselaar という人の演奏で聴いた。
♪ Ricercar a 6 (6声のリチェルカーレ) 音楽の捧げもの BWV 1079 | Netherlands Bach Society
『バッハの鍵盤音楽』の第18章「《音楽の捧げもの》および《フーガの技法》」に含まれる作品は下記。
- BWV1079/1 3声のリチェルカーレ
- BWV1079/2 6声のリチェルカーレ
- BWV1079/4a 2声の逆行カノン
- BWV1079/4i 2声のカノン(謎カノン)
- BWV1080 フーガの技法
出典:
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️音楽の捧げもの(Wikipedia)
✏️バッハ :音楽の捧げもの BWV 1079(PTNAピアノ曲事典)
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