この曲では、なぜか YouTube の検索で初めて聞く名前のピアニストたちが何人も見つかった。しかも、それぞれが素晴らしい演奏を聴かせてくれた ♪
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出典:
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️バッハ :トッカータ ト短調 BWV 915(PTNAピアノ曲事典)
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《J.S.Bach の鍵盤音楽》
《Bach.KB. BWV912:トッカータ ニ長調、Corrado Pozzoli、アヴデーエワ、リヒテル…♪》
参考にしている本『バッハの鍵盤音楽』によると、活発なアレグロ部分と表情豊かに装飾の施されたアダージョ部分を持つにもかかわらず、他のトッカータほど人気がないそうだ。途切れることのないフーガが非常に長く弾きにくいから?
この作品は、華やかな走句とそれに続くアダージョ、舞曲風のアレグロ、レチタティーヴォ風のアダージョ、そして付点リズムのみで構成される主題による 190小節に及ぶフーガ(↓)で構成される。フーガの最後には冒頭の走句がコーダのように奏される。
人気がない(かも知れない?)わりには沢山のピアニストが録音していて、しかも初めて出会ったピアニスト(とチェンバリスト)がなかなかの演奏を聴かせてくれた ♪ どれも比較的最近の録音だ。
まず、Amandine Savary(アマンディーヌ・サヴァリ、仏、1984 - )という女性ピアニストの演奏が素晴らしかった。細やかなデュナーミクとしなやかなリズム感で 表情豊かなトッカータになっている。とくにフーガが気に入った ♪
♪ Toccata in G Minor, BWV 915:2014
Stepan Simonian(ステパン・シモニアン、露、1981 - )は、エフゲニー・コロリオフにも師事したピアニスト。2010年のライプツィヒ国際バッハコンクールで銀メダルを受賞。デビューアルバムがバッハのトッカータ集で高い評価を受けた。
♪ Toccata in G Minor, BWV 915:2012
Katharine Durran(キャサリン・デュラン、スコットランド)は、ソリストとしてだけではなく、歌曲の伴奏者、室内楽などでも活躍しているピアニストのようだ。彼女のデビューアルバムもバッハのトッカータ集 ♪
♪ Toccata in G Minor, BWV 915:2013
もちろん、ベテラン勢もいい演奏を聴かせてくれる。グールドはこれまでに聴いたトッカータの中で一番いいかも知れない。リヒテルの力強いフーガもなかなかいい ♪
グレン・グールド(Glenn Gould、カナダ、1932 - 1982)
スヴャトスラフ・リヒテル(Sviatoslav Richter、ウクライナ、1915 - 1997)
コンスタンチン・リフシッツ(Konstantin Lifschitz、ウクライナ、1976 - )
チェンバロでも素晴らしい演奏家を見つけた。キアラ・マッシーニ(Chiara Massini、伊、1971 - )という人で、カジュアルな雰囲気でバッハを弾いている姿がいい感じ ♪
なお、『バッハの鍵盤音楽』の第7章「トッカータ」に含まれる作品は下記。":" の後に「28段階難易度 [ヘンレ社難易度] 作曲年(推測)」を追加した。
- BWV910 トッカータ 嬰ヘ短調 :23 [7] 1708-
- BWV911 トッカータ ハ短調 :22 [7] 1708-
- BWV912 トッカータ ニ長調 :22 [7] 1703-07
- BWV913 トッカータ ニ短調 :21 [6] 1703-07
- BWV914 トッカータ ホ短調 :22 [6] 1707-08
- BWV915 トッカータ ト短調 :24 [7] 1707-08
- BWV916 トッカータ ト長調 :23 [6] 1708-
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
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