2024年6月1日土曜日

Bach.KB.BWV1079/4a「音楽の捧げもの」から「蟹のカノン」→を含むブゾーニのカノン変奏曲がいい ♪

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、今日は「音楽の捧げもの」の中にある「鍵盤作品」(チェンバロで弾く or 弾けるもの) から BWV1079/4a「2声の逆行カノン」、別名「蟹のカノン」または「蟹行(かいこう)カノン」。

楽譜(↓)は 1段の単旋律なのだが、「初めから右方向に」と「終わりから左方向に」を合わせて弾くというのがこのカノンのミソ…(^^;)?




「音楽の捧げもの」全体の話についてはこの記事(↓)を参照して戴きたい。

《J.S.バッハ「音楽の捧げもの」とは》


この曲は、鑑賞するというよりも、その仕掛けを知ってニヤッとする…みたいな楽しみ方があっていると思う。まぁ、うまく出来てる ♪

その辺りを意識した音源(動画)もいくつかあって面白い。


一番気に入ったのは、オランダ・バッハ協会の動画。佐藤俊介さんが二人登場してヴァイオリン 2本で演奏している。楽譜の演奏方向に歩きながら…(^^;)。



チェンバロの 2段鍵盤を使った演奏動画(↓)も分かりやすい。2つのパートを「上鍵盤+下鍵盤」で弾くのと、下鍵盤で左手(逆行パート)を 1オクターブ低く弾くのと 2パターン見せて(聴かせて)くれる。

♪ 22 J.S.Bach:Musikalisches Opfer Thematis Regii Elaborationes Canonicae BWV1079


もちろん、コンスタンチン・リフシッツ(Konstantin Lifschitz、ウクライナ、1976 - )も弾いているが、短い曲なので味わう暇もなく終わってしまう…(^^;)。

♪ Musikalisches Opfer, Op. 6, BWV 1079 (Arr. for Piano) : Canon 1. a 2: Canon cancrizans

元のアルバム(↓)。

♪ J.S. Bach: Musikalisches Opfer, Op. 6, BWV 1079 (Arr. for Piano) /Konstantin Lifschitz:アルバム


で、今回の目玉はコレ! フェルッチョ・ブゾーニが「音楽の捧げもの」もピアノ編曲しているのだが、カノンだけ選び出して「『音楽の捧げもの』よりカノン変奏曲とフーガ」という作品を作っているのだ ♪「蟹のカノン」ももちろん入っている。

これを、「ブゾーニ作品の演奏に定評のある」というピアニスト、ホルガー・グロショップ(Holger Groschopp、独、1964 - )が弾いているのだが、なかなか気に入った ♪


「大王のテーマ」はソフィア・グバイドゥーリナのヴァイオリン協奏曲『オッフェルトリウム』や尹伊桑(ユン・イサン)の無伴奏ヴァイオリン曲『大王の主題』などで使われているそうだが、このブゾーニ作品でのテーマの扱いは秀逸だと思う。


『バッハの鍵盤音楽』の第18章「《音楽の捧げもの》および《フーガの技法》」に含まれる作品は下記。

  1. BWV1079/1 3声のリチェルカーレ
  2. BWV1079/2 6声のリチェルカーレ
  3. BWV1079/4a 2声の逆行カノン(蟹のカノン)
  4. BWV1079/4i 2声のカノン(謎カノン)

  5. BWV1080 フーガの技法


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)

✏️音楽の捧げもの(Wikipedia)

✏️バッハ :音楽の捧げもの BWV 1079(PTNAピアノ曲事典)



【関連記事】
《J.S.Bach の鍵盤音楽》

《J.S.バッハ「音楽の捧げもの」とは》

《Bach.KB.BWV1079/2「音楽の捧げもの」から「6声のリチェルカーレ」アンドレイ・ヴィエルというピアニスト ♪》

《Bach.KB.BWV1079/1「音楽の捧げもの」から「3声のリチェルカーレ」リフシッツ素晴らしい ♪》

《Bach.KB.BWV998 前奏曲、フーガとアレグロ:やはりリヒテル?リフシッツもいい ♪》


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