《J.S.バッハ「音楽の捧げもの」とは》
この曲には発想記号のところに "Quaerendo inveietis"(求めよ、さらば見出さん)という聖書からの引用が書かれている。
タイトルは "Canon a 2." で「2声のカノン」とあるが、楽譜にあるのは単旋律(1つの声部=先行声部)だけ。でも、音部記号が二つ書いてある。ヘ音記号は逆さまになっていて、「反行カノン」であることを示している。
演奏者はここから、後続声部の開始点や音程間隔、反行、逆行などを決めて曲を完成させる必要がある。…というのが「謎カノン」。
オランダ・バッハ協会の動画ではヴィオラ・ダ・ガンバ × 2本の演奏となっているが、後続の演奏者(同じ人)は鏡に映っている。これは「反行」(mirrored)を表している。
♪ Bach - Canon a 2 Quaerendo invenietis from The Musical Offering BWV 1079 | Netherlands Bach Society
チェンバロの 2段鍵盤を使った演奏動画(↓)も分かりやすい。2つのパートを「上鍵盤+下鍵盤」で弾くのと、両方とも下鍵盤で左手(逆行パート)を 1オクターブ低く弾くのと 2パターン見せて(聴かせて)くれる。
♪ 22 J.S.Bach:Musikalisches Opfer Thematis Regii Elaborationes Canonicae BWV1079
♪ Musikalisches Opfer, Op. 6, BWV 1079 (Arr. for Piano) : Canon a 2 Querendo invenietis
元のアルバム(↓)。
♪ J.S. Bach: Musikalisches Opfer, Op. 6, BWV 1079 (Arr. for Piano) /Konstantin Lifschitz:アルバム
この解説動画(↓)は、どこを演奏しているかが分かる楽譜付きで見せてくれるので、分かりやすい。チェンバロと室内楽団の二つの演奏が入っている。
『バッハの鍵盤音楽』の第18章「《音楽の捧げもの》および《フーガの技法》」に含まれる作品は下記。
- BWV1079/1 3声のリチェルカーレ
- BWV1079/2 6声のリチェルカーレ
- BWV1079/4a 2声の逆行カノン(蟹のカノン)
- BWV1079/4i 2声のカノン(謎カノン)
- BWV1080 フーガの技法
出典:
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️音楽の捧げもの(Wikipedia)
✏️バッハ :音楽の捧げもの BWV 1079(PTNAピアノ曲事典)
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