2024年4月26日金曜日

Bach.KB.BWV816 フランス組曲第5番:アンデルシェフスキとディナースタイン ♪

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、今日は『バッハの鍵盤音楽』紹介記事)の第14章「《フランス組曲》」から、フランス組曲第5番 ト長調 BWV816。

バッハのチェンバロ音楽の中でも並外れて優雅な作品。フランス組曲の中で最も有名であり、とくに「ガヴォット」は単独でもよく演奏される。




バッハは 1720年代〜1730年代にかけて一連の組曲(イギリス組曲、フランス組曲、パルティータ、序曲)を作曲・改訂・集成している。

「フランス組曲」の第1〜4番と第5番の断片は、1722年の「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳(第1集)」に含まれている。今日知られている 6曲の曲集としてまとめられたのは 1725年頃と考えられている。

参考《バッハ「フランス組曲」の基礎知識と各曲難易度》


フランス組曲第5番 BWV816 は、アルマンド、クーラント、サラバンド、ガヴォット、ブーレ、ルール、ジーグという構成。

ルール(仏:Loure)は「遅いジーグ」(仏:Gigue lente)と呼ばれることもある舞曲。


第5番は有名な曲なので、実に多くのピアニストが取り上げている。フランス組曲の中で第5番だけ弾いている人も多い。

なので今回は、これまで聴いてきた 15人ほどピアニストに加えて、アンデルシェフスキ、シモーヌ・ディナースタイン、ブルース・リウなども聴いてみた。

あと、内田光子さんの「サラバンド」は聴き逃せない。



どのピアニストもなかなか魅力的な演奏なのだが、私の好みはやはりピョートル・アンデルシェフスキ(Piotr Anderszewski、ポーランド、1969 - )…(^^)♪

一番惹かれるのは、たぶん声部やフレーズの扱い・歌わせ方だと思う。どれ一つおろそかにしない弾き方はもちろん、その中での表情が豊かで、全体としての調和(空間軸+時間軸)も素晴らしいものがある ♪
シモーヌ・ディナースタイン(Simone Dinnerstein、米、1972 - )はたぶん初めて聴いたと思う(名前は何となく知っていた)。柔らかく躍動する、よく響くピアノの音が魅力。

ジュリアード音楽院でピーター・ゼルキンに学んでいる。若い頃は目立った存在ではなく、2005年(32歳)のカーネギーホールでの「ゴルトベルク変奏曲」、および 2007年発売の同曲のデビューCD(Telarc)で一躍注目されるようになったようだ。

(BWV816:トラックNo. 1〜7)



あと、イングリット・ヘブラー(Ingrid Haebler、オーストリア、1929 - 2023)の演奏はまさに「優雅」でいい感じ ♪ このピアニスト、私の中では、何となくシフに代わって「フランス組曲」の標準になりつつあるのかも知れない…(^^)?

♪ Bach, J.S.: French Suites:アルバム
(BWV816:トラックNo. 25〜31)



参考:フランス組曲を全曲録音をしているピアニスト

  1. グレン・グールド:1971-73
  2. イングリット・ヘブラー:1980
  3. タチアナ・ニコラーエワ:1984
  4. アンドラーシュ・シフ:1991, 2010 等
  5. アンドレイ・ガヴリーロフ:1993
  6. アンジェラ・ヒューイット:1995
  7. ウラジーミル・フェルツマン:2005
  8. エフゲニー・コロリオフ 2006
  9. セルゲイ・シェプキン:2011
  10. アンドレア・バッケッティ:2012
  11. コルネリア・ヘルマン:2012/2014
  12. マレイ・ペライア:2013
  13. エカテリーナ・デルジャヴィナ:2014
  14. シュ・シャオメイ:2016
  15. ウラディーミル・アシュケナージ:2017
  16. イリーナ・メジューエワ:2021

その他、ピリスの 2番、リヒテルの 2番、4番、6番、アンデルシェフスキ、ケンプ、シモーヌ・ディナースタインの 5番などもある。


『バッハの鍵盤音楽』 第14章「《フランス組曲》」BWV812〜817 と関連組曲 BWV818、BWV819。

  1. BWV818 組曲 イ短調
  2. BWV819 組曲 変ホ長調
  3. BWV812 フランス組曲第1番 ニ短調
  4. BWV813 フランス組曲第2番 ハ短調
  5. BWV814 フランス組曲第3番 ロ短調
  6. BWV815 フランス組曲第4番 変ホ長調
  7. BWV816 フランス組曲第5番 ト長調
  8. BWV817 フランス組曲第6番 ホ長調


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)

✏️フランス組曲 (バッハ)(Wikipedia)

✏️バッハ :フランス組曲 第5番 ト長調 BWV 816(PTNAピアノ曲事典)



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《J.S.Bach の鍵盤音楽》

《Bach.KB.BWV815 フランス組曲第4番:イングリット・ヘブラー素晴らしい ♪》

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