そして、1726年〜1730年にかけて順次出版したパルティータ 6曲を「クラヴィーア練習曲集 第1巻」としてまとめたのが 1731年である。
この中でバッハは、和声的要素が強いフランス・クラヴサン様式の中にドイツ的な模倣対位法の響きをどのように組み込んで行くかという試みを進めている。
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「イギリス組曲」は、ロンドンで活躍したフランス人作曲家デュパール(Charles Dieupart, 1667?-1740)の「クラヴサンのための 6つの組曲」(1701)の影響を受けている。
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♪ Bach, JS: English Suites Nos 1, 3 & 5:アルバム
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この中でバッハは、和声的要素が強いフランス・クラヴサン様式の中にドイツ的な模倣対位法の響きをどのように組み込んで行くかという試みを進めている。
イギリス組曲第3番はプレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、ガヴォットI、ガヴォットII(or ミュゼット)、ジーグという構成。
サラバンドにはアグレマンすなわち装飾をつけたバージョン(Les agrements de la meme Sarabande)も加えられている。ガヴォットには "alternativement"(アルテルナティーヴマン)という「それぞれの曲を自由な回数演奏する」という指示が付いている。
ガヴォット(↓)は何度か試し弾きみたいなことはやったと思うがちゃんと練習したことがない。このよく知られたガヴォットをプロがどう弾くか?というのも面白い ♪
あと、この作品を聴くときに一つのポイントと思っているのが、静かでちょっと神秘的だったりロマン的だったりする「サラバンド」。「退屈〜惹き込まれる」まで様々…。
この曲も本当に多くの名ピアニストが弾いているので、いくつかの名演奏を列挙する。あえて言うと、ピリスさんの演奏はずっと以前から聴いていて一番お気に入りかも…(^^)。
マリア・ジョアン・ピリス(Maria João Pires、ポルトガル、1944年 - )
ピョートル・アンデルシェフスキ(Piotr Anderszewski、ポーランド、1969 - )。サラバンドはこの演奏が一番気に入っている。
♪ Bach, JS: English Suites Nos 1, 3 & 5:アルバム
マレイ・ペライア(Murray Perahia、米、1947 - )
(BWV808:タイムスタンプ 43:56 - )
イーヴォ・ポゴレリッチ(Ivo Pogorelich、クロアチア、1958 - )
グレン・グールド(Glenn Gould、カナダ、1932 - 1982)
マルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich、アルゼンチン、1941 - )はアンコール曲として「ガヴォット」を弾いている。このガヴォットが一番好きかも…(^^)♪
♪ Martha Argerich – Bach: Gavottes from English Suite No.3 (2019)
それと、今年 1月の KlavierFestival でのプレトニョフとの デュオでは、アンコールでガヴォットを使った即興演奏を披露している。面白い ♪
チェンバロはロレンツォ・ギエルミ(Lorenzo Ghielmi、伊、1959 - )という人の演奏。
♪ Bach: English Suites, BWV 806-811:アルバム
(BWV808:トラックNo. 14〜19)
『バッハの鍵盤音楽』 第13章「《イギリス組曲》」BWV806〜811。
- BWV806 イギリス組曲第1番 イ長調
- BWV807 イギリス組曲第2番 イ短調
- BWV808 イギリス組曲第3番 ト短調
- BWV809 イギリス組曲第4番 ヘ長調
- BWV810 イギリス組曲第5番 ホ短調
- BWV811 イギリス組曲第6番 ニ短調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️イギリス組曲 (バッハ)(Wikipedia)
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