昨日(《スタインウェイ・レーベルとスタインウェイ・アーティスト ♪》)の続きである。
とりあえず、NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)で「Steinway and Sons」を検索して最初のページに出てきたいくつかのCD(8人のピアニスト)を聴いてみた。
気に入った順に並べてある。とりあえずの("Final Answer" ではない…)お気に入り候補は最初の3人。
Sergey Schepkin(セルゲイ・シェプキン)
BACH, J.S.: French Suites Nos. 1-6, BWV 812-817 / Fantasia and Fugue, BWV 904 / Chromatic Fantasia and Fugue, BWV 903 (Schepkin)
艶やかに響くピアノの音が魅力的なフランス組曲である。個人的にはシフのバッハがお気に入りなのだが、それに比べるとやや男性的なきっぱりとした印象のバッハに感じる。
バッハのスペシャリストだそうで、日本にも何度か来ているようだ。伊熊よし子さんのブログによると、「2007年3月にすみだトリフォニーホールで演奏した『ゴルトベルク変奏曲』は、衝撃の演奏」だったそうだ。
残念ながら、NMLにはシェプキンのゴルトベルクは見当たらなかった。
参考:Sergey Schepkin 公式サイト(英語)
Jeffrey Biegel(ジェフリー・ビーゲル)
BACH, J.S.: French Suite No. 5 / Partita No. 2 / Toccatas, BWV 913 and 914 (Bach on Steinway) (Biegel)
2010年のレーベル立ち上げと同時に出たCDなので、自信作なのだろう。15回もグラミー賞をとった Steven Epstein という人のプロデュースらしい。
好きなバッハの曲というのもあるだろうが、なかなかいい。好感度の高い上品なバッハ。軽やかさが心地よい。
とくに良かったのが、平均律 Book1 の5番(ニ長調)とパルティータの2番。
参考:Jeffrey Biegel 公式サイト(英語)
Sean Chen(ショーン・チェン)
Piano Recital: Chen, Saen - RAVEL, M. / SCRIABIN, A. (La valse)
CDタイトルにもなっているラヴェルの "La valse" を聴いてみた。
ややおとなしい印象だが、こういうラヴェルもありかな、と思わせる演奏だ。悪くない。
とくに最近、ピアノをぶっ叩くような演奏が多い中で、こういうピアノの音の美しさを引き出すような演奏は好感が持てる。ただ、もう少しダイナミクスの幅(思い切り)があってもいいかも、とは思う。
参考:Sean Chen 公式サイト(英語)
以下のピアニストについては、一聴した限りではとくに惹かれるところはなかった…。
John O'Conor
CD:BEETHOVEN, L. van: Diabelli Variations (O'Conor)
ベートーヴェンのディアベリを聴いてみた。私のイメージとはちょっと違う感じ、好みじゃないかも…。
ただ、私のディアベリのイメージは、ローラン・カバッソさんと内田光子さんという2人の名演によって形作られたものなので、比較するのはかわいそうかも知れないが…。
Jenny Lin
CD:Piano Recital: Lin, Jenny - TCHAIKOVSKY, P.I. / MOZART, W.A. / HOUGH, S. / PROKOFIEV, S. / POULENC, F. / SATIE, E. (Melody's Mostly Musical Day)
イージリスニング系? きれいに弾いているが、物足りない。
聴いたCDのタイトルも "Melody's Mostly Musical Day" だし、他にも "Get Happy"というCDがあったが、両方ともいろんな小品を集めたようなアルバムの作りになっている。
Andrew Rangell
CD:BEETHOVEN, L. van: Piano Sonatas Nos. 28-32 / Diabelli Variations / Bagatelles, Op. 126 (The Final Masterworks for Piano) (Rangell)
ベートーヴェンのソナタを2曲(29番、32番)聴いてみたが、あまり好みではないので途中で聴くのをやめた。
Alan Feinberg
CD:BULL, J.: Keyboard Works (Basically Bull) (Feinberg)
ほとんど名前を知らない作曲家(John Bull、Thomas Tomkins 、William Byrd 等)の曲ばかりで、よく分からなかった。どうも16〜17世紀イギリスの鍵盤音楽のようだ。
Lara Downes
CD:Piano Recital: Downes, Lara - BARTOK, B. / CHOPIN, F. / PROKOFIEV, S. / MARTINU, B. / KORNGOLD, E.W. / STILL, W.G. (Exiles' Cafe)
知っている曲ということで、ショパンのマズルカ第1番を聴いてみたが、これといって特徴のない演奏だ。
ただ、Kurt Weill 、Erich Wolfgang Korngold、Paul Bowles といった、あまり聞かない名前の作曲家がいろいろ出てくるので、そのあたりのレファレンス音源としては使えるかも…。
ということで、探索の結果、それほどの大ヒットはなかったが、少しは面白いピアニストやピアノ曲に出会えそうではある。
まぁ、考えてみれば、有名なスタインウェイ・アーティストたち(アルゲリッチやラン・ランや内田光子さん、等々々々…)は、CDレーベルとしては(たぶん)マイナーな "Steinway and Sons" からわざわざ出してもらわなくてもいい訳だ。
なので、今後活躍が期待できるかも知れない若い?ピアニストが中心になるのかな…? でも、選曲などにちょっと面白いものもあるので、これからもときどき覗いてみることにしよう ♪
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