まずは「フランス組曲」に入っていたかも知れない二つの組曲の一つ、「組曲 イ短調」BWV818。
「フランス組曲」の第1〜4番と第5番の断片は、1722年の「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳(第1集)」に含まれている。今日知られている 6曲の曲集としてまとめられたのは 1725年頃と考えられている。
BWV818 と BWV819 の二つの組曲は「フランス組曲」の候補だった可能性もある。バッハの弟子による筆写譜には、第5番・第6番の代わりにこの 2曲が含まれるものも存在する。
BWV818 は、アルマンド、クーラント、サラバンドとドゥーブル、ジーグという構成。様式的にはイギリス組曲とフランス組曲第1番の中間に位置する。
異稿 BWV818a では、前奏曲とメヌエットが追加されて、サラバンドがドゥーブルなしのものに変わっている。「前奏曲」という表記はなく "Fort gai"(フォール・ゲ:快活に)という速度標語が書き込まれている。
ピアノによる音源はほとんどない。
ウィリアム・カペル(William Kapell、米、1922 - 1953)というピアニストが録音を残している。カペルは、米国の有望なピアニストとして期待されていたが、オーストラリアでの演奏旅行から帰国途中で飛行機事故に遭い 31歳で亡くなっている。
チェンバロは、指揮者でもあったクリストファー・ホグウッド(Christopher Hogwood、英、1941 - 2014)という人の演奏。異稿 BWV818a を使っている。
♪ BWV818a Suite in a Hogwood 1983
『バッハの鍵盤音楽』 第14章「《フランス組曲》」BWV812〜817 と関連組曲 BWV818、BWV819。
- BWV818 組曲 イ短調
- BWV819 組曲 変ホ長調
- BWV812 フランス組曲第1番 ニ短調
- BWV813 フランス組曲第2番 ハ短調
- BWV814 フランス組曲第3番 ロ短調
- BWV815 フランス組曲第4番 変ホ長調
- BWV816 フランス組曲第5番 ト長調
- BWV817 フランス組曲第6番 ホ長調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️フランス組曲 (バッハ)(Wikipedia)
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