2024年4月18日木曜日

Bach.KB.BWV818 組曲 イ短調:フランス組曲の候補曲だったかも知れない①

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、今日からは『バッハの鍵盤音楽』紹介記事)の第14章「《フランス組曲》」に登場する作品を聴いていく。

まずは「フランス組曲」に入っていたかも知れない二つの組曲の一つ、「組曲 イ短調」BWV818。




バッハは 1720年代〜1730年代にかけて一連の組曲(イギリス組曲、フランス組曲、パルティータ、序曲)を作曲・改訂・集成している。

「フランス組曲」の第1〜4番と第5番の断片は、1722年の「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳(第1集)」に含まれている。今日知られている 6曲の曲集としてまとめられたのは 1725年頃と考えられている。

BWV818 と BWV819 の二つの組曲は「フランス組曲」の候補だった可能性もある。バッハの弟子による筆写譜には、第5番・第6番の代わりにこの 2曲が含まれるものも存在する。


BWV818 は、アルマンド、クーラント、サラバンドとドゥーブル、ジーグという構成。様式的にはイギリス組曲とフランス組曲第1番の中間に位置する。

異稿 BWV818a では、前奏曲とメヌエットが追加されて、サラバンドがドゥーブルなしのものに変わっている。「前奏曲」という表記はなく "Fort gai"(フォール・ゲ:快活に)という速度標語が書き込まれている。


ピアノによる音源はほとんどない。

ウィリアム・カペル(William Kapell、米、1922 - 1953)というピアニストが録音を残している。カペルは、米国の有望なピアニストとして期待されていたが、オーストラリアでの演奏旅行から帰国途中で飛行機事故に遭い 31歳で亡くなっている。


チェンバロは、指揮者でもあったクリストファー・ホグウッド(Christopher Hogwood、英、1941 - 2014)という人の演奏。異稿 BWV818a を使っている。

♪ BWV818a Suite in a Hogwood 1983


『バッハの鍵盤音楽』 第14章「《フランス組曲》」BWV812〜817 と関連組曲 BWV818、BWV819。

  1. BWV818 組曲 イ短調
  2. BWV819 組曲 変ホ長調
  3. BWV812 フランス組曲第1番 ニ短調
  4. BWV813 フランス組曲第2番 ハ短調
  5. BWV814 フランス組曲第3番 ロ短調
  6. BWV815 フランス組曲第4番 変ホ長調
  7. BWV816 フランス組曲第5番 ト長調
  8. BWV817 フランス組曲第6番 ホ長調


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)

✏️フランス組曲 (バッハ)(Wikipedia)

✏️バッハ :組曲 イ短調 BWV 818(PTNAピアノ曲事典)



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