オルガンの多彩で厳かな響きが素晴らしい。ピアノ編曲版もオーケストラ版もいいのだが、やはりこの曲はオルガンで聴きたい。
BWV582
🎼バッハ(1685-1750)の作品一覧/Wikipedia
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Bach: Organ Works
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Passacaglia: 5 Versions
「パッサカリア」(伊:passacaglia)は、17世紀のスペイン、イタリアで流行した舞曲がバロック時代に純器楽曲としてしだいに変奏曲形式として様式化されたもの。
遅い三拍子で、バッソ・オスティナート(basso ostinato:執拗低音、固執低音)と呼ばれる4~8小節の主題(多くの場合短調)が全曲を通じて低音部で繰り返され、上声部で変奏が展開される。
「シャコンヌ」(仏:chaconne)もバロック時代の同様の変奏曲形式であるが、パッサカリアとの違いについては定説がなく、当時は同じように使われていた可能性が高い。
出典:✏️パッサカリア(コトバンク)
BWV582 は二部構成。第1部(約10分)はパッサカリアで 8小節の主題提示と 20の変奏からなる。第2部(約7分)は「完璧な三重対位法」(四声)のフーガで第1部から連続して演奏される。(フーガ部を 21番目の変奏と考えることもあるようだ)
通常、パッサカリアは 4小節の主題+5〜6 の変奏らしいが、さすがバッハ、「8小節の主題+20の変奏」さらに長大な「フーガ」という大規模な構成になっている…(^^;)。
主題(下図中央)は、フランスの作曲家アンドレ・レゾンの『パッサカリアによるトリオ』の主題(下図上)と『シャコンヌによるトリオ』の主題(下図下)からとられている。
出典(上の図も):✏️パッサカリア ハ短調(Wikipedia)
いくつかの演奏を聴いてみたが、このカール・リヒターの演奏(↓)が一番だと思う。使用しているオルガンの響きが素晴らしくて多彩なことも魅力だが、何と言ってもその演奏が直接心に伝わってくる感じがした ♪ 第1変奏から惹き込まれる。
ライヴ録画のように見えるが、投稿者が音を CD(下記と思われる)の音源に入れ替えているようだ。元のビデオの音質が悪かったためらしい。
他にもいい演奏はいくつかあった。オランダバッハ協会のものも良かった。演奏はライツェ・スミッツ(Reitze Smits、1956-)というオランダのオルガニスト。録音は "November 29th 2013 at Lutheran Church, The Hague"。
もう一つ、日本人のオルガン奏者、冨田一樹さん(1988-)の演奏も悪くない。2016年第20回バッハ国際コンクール(ライプツィヒ)で 1位になった人のようだ。
この曲には多くの編曲がある。ピアノだけでも 20ほどある(↓)。
✏️バッハの音楽の曲目データベース/BWV582 パッサカリア ハ短調(Bach with Piano)
YouTube にあったダルベール編曲版を聴いてみたが、オルガンとはまた違った味わいがあって、これはこれでちょっと好きかも…♪
オイゲン・ダルベール(Eugen d'Albert、1864-1932)はスコットランド出身のピアニスト・作曲家であるが、のちにドイツに帰化している。
演奏は Ernst Breidenbach というドイツのピアニスト。
オーケストラ版では、レオポルド・ストコフスキー(Leopold Stokowski、英、1882-1977)によるものが有名だと思われる。これ(↓)は本人が Saarbrucken Radio Symphony Orchestra を指揮した演奏。1969年のヨーロッパツアーで、TV放映されたもののようだ。
ちなみに、こんな「編曲集」も出ていて、この 5種類の演奏(↓)が入っている ♪
- BWV582 原曲(オルガン)
- オイゲン・ダルベール編ピアノソロ版
- リスト&トプファー編ロマンチック・オルガン版
- レーガー編ピアノ4手連弾版
- スコトフスキー編:管弦楽版
出典:✏️バッハの「パッサカリアとフーガ」原曲と編曲集(Kyrill's Weekend Wild Space)
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