ちょっと前に、『作曲家から見たピアノ進化論』という本からの話題を4つ記事にした。
面白いと思ったものをメモしているうちに4本になってしまったのだが、実はこの本のメインの部分は別のところにある。
それは、ピアノ音楽の歴史を、楽器の発展、作曲家の系統・流れ、作品の特徴・変遷、ピアノ奏法の移り変わり、電子音などとの融合、などの観点から分かりやすく解説している点である。
ピアノ音楽だけに限定されていること(ワーグナーなどは登場しない)で、とても理解しやすくなっている。また、作曲家が生きた時代の楽器(発展途上のピアノ)の説明があるので、ピアノ音楽への理解が深まる。楽器の制約が作曲家に影響を及ぼすだけでなく、作曲家の要求によりピアノも進化していくのである。
で、そのあたりをまとめたいと思ってメモを取ったのだが、思ったより膨大な量になり(時間もかかり…)、すぐには整理できそうもない。それで、今回は「日本のピアノ音楽小史」とでも言えそうな、日本の主要な作曲家・ピアノ作品のメモ(一覧表)をご紹介しておく。
以前、日本の現代ピアノ曲を少しだけ調べたことがある(→《【現代ピアノ曲】日本人作曲家 》)が、残念ながらここにある「主要な曲」は入ってない。いずれ、どんな曲なのか聴いてみたいと思っている。
※ 数字は作曲年、( )内は特徴など
滝廉太郎
《メヌエット》1900(日本初のピアノ曲?)
《憾(うらみ)》1903
松平頼則 (12音技法と雅楽のドッキング)
《ソナタ》1949
《越天楽による主題と変奏》Pf版 1983
《六つの前奏曲》1975
3曲のピアノ協奏曲
早坂文雄 (武満徹の師)
ピアノ協奏曲 1948
武満徹 (1930-1996)
《二つのレント》1950
《遮られない休息》1952/59
《ピアノ・ディスタンス》1961
(音響としての単音、旋律の断片、オブジェとしての和音、等)
《フォー・アウェイ》
《閉じた眼Ⅰ・Ⅱ》1979/88
《コロナ》 (図形楽譜:デザイナー杉浦康平との共同作品)
《クロッシング》 ( 〃 )
湯浅譲二 (1929−)
《スリー・スコア・セット》
《内触覚的宇宙Ⅰ》1957
《プロジェクシオン・トポロジック》1959
《オン・ザ・キーボード》1972 (内部奏法等への反論?)
《内触覚的宇宙Ⅱートランスフィギュレーション》1986
《メロディーズ》1997
《プロジェクション》2004(2台ピアノ)
一柳 慧 (1933-)
《ピアノ音楽第1〜第7》1959- (図形楽譜・「直観音楽」)
《ピアノ・メディア》1972
《タイム・シークエンス》1976
《雲の表情》1980代
ピアノ協奏曲第1番《空間の記憶》
ピアノ協奏曲第2番《冬の肖像》
間宮芳生
《ピアノ・ソナタ》(とくに第2番:1973)
《プレリュード集》
《エチュード集》
4曲のピアノ協奏曲
《ヴァイオリン、ピアノ、打楽器とコントラバスのためのソナタ》
松下眞一
《スペクトラ》シリーズ
松村禎三
《ピアノと弦楽四重奏のための音楽》1962
2曲のピアノ協奏曲 1973/1978
矢代秋雄
《ピアノ・ソナタ》1961
《ピアノ協奏曲》1967
《シェーヌ〜ピアノのためのプレリュード》1973
《アン・ヴェール》1980
諸井誠
《ピアノのためのαとβ》
佐藤慶次郎
《ピアノのためのカリグラフィー》
高橋悠治
《クロマモルフⅡ》
《ローザスⅡ》
《メタテーシス》
《毛沢東詞三首》
松平頼暁
《アルロトロピー》
八村義夫
《彼岸花の幻想》
《錯乱の論理》
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