2014年1月4日土曜日

本「ピアノ演奏芸術」:第5章・第6章・終わりに

●抜書き

【第5章 先生と学生】

1.才能のある人は創り出すことができない、しかし文化・土壌は創り出すことができ、そこから才能のある人が成長し繁栄する。

2.感動→どうしてその箇所が私たちを感動させるのか研究し、理解しようと努める。



【第6章 コンサート活動について】

 3.聴き手は、気がつくと自分もまた芸術家になっているのが心地よいのです。なぜなら、彼は芸術を理解し、体験しているのですから…



【終わりに】

4.4種類の〈演奏スタイル〉

 (1) 何にもなしスタイル:スタイルがない、バッハがショパン風に弾かれたりする。

 (2) 屍体安置室的演奏:古い時代物のスタイルに固執するあまり生きた音楽とならない。

 (3) 博物館的演奏:最も慧眼で敬虔な知識をもとに作品が生まれた時代の響きを求めた演奏。

 (4) 現代的活き活きスタイル:直感とインスピレーションの〈しみとおる光〉に照らされた〈現代的な〉生き生きした演奏。博学、豊富・多様な技法、作曲家への愛などに裏打ちされた。「作曲家は死しても、彼のなしたことは生きている!そして遠き未来まで生き続けるであろう」をスローガンとした演奏。


 5.大衆がたいてい従っている芸術への個人的好みによるアプローチ(好きか嫌いか)をはね除けるような、美の法則、証明可能な真実がある。(アルブレヒト・デューラー) →「自分には気に入らない・分からない、だがこれは良い」というものがある。


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 ●考察


第5章と第6章はあまり興味がないので、目に留まったところだけの抜書き。3.の聴き手を単なる受け手とみなさない考え方は同感である。

4.の〈演奏スタイル〉は面白い。つまらない演奏はたぶん (1) が多いのだと思う。どんな曲も同じ弾き方しかできない演奏家。(2) と (3) は聴き手のレベルが試されそうだ。例えば、「古楽器」というだけでありがたがってはいけない。(4) がたくさん聴けると本当に嬉しいのだが…。


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