2014年1月22日水曜日

「ショパンのピアニスム」:第1章 ピアノ技法の原理(その2)

●出典:『ショパンのピアニスム―その演奏美学をさぐる』

 第1章 ピアノ技法の原理

●概要&感想

(1) 手の位置

 有名な「E Fis Gis Ais H Ais Gis Fis E」のポジションから始める。
 (長い指を黒鍵に置いた自然な形)


(2) 座り方と構え、5指練習、タッチの柔軟性と指の独立性

 座り方:体を傾けなくても鍵盤の両端に手が届く位置、肘は白鍵の高さ。
 5指練習:「E Fis Gis Ais H Ais Gis Fis E」をスタカート~レガートで。


(3) 音階とアルペッジョ

 長い指が黒鍵を押さえる(例えば)ロ長調から始める。


(4) 黒鍵の利用

 長い指を黒鍵に置いて手の支点にし、
 その下を短い指が潜って白鍵を弾くという方法が基礎。


(5) 運指法

 ショパンの運指法の特徴

   ・親指を黒鍵にも使う
   ・多様な指の交差を使う
   ・同じ指の連続を(違う音に)使う
   ・各指の特性を生かす


 指の力を均等にすることは意味のないことであり、
 各指の持つ固有なタッチの魅力を生かすことが重要である。


(6) レガート奏法とタッチの多様性

 抑揚とニュアンスをつけたレガート、多様なアーティキュレーション。


(7) ベル・カントとカンタービレ

 声のもつ滑らかな性質をピアノ(打弦楽器)でいかに表現するかに腐心した。

   ・ポルタメント
    →同じ高さの係留音、経過音などの装飾音符

   ・声量や声質、ニュアンスの変化
    →同じ音でのクレッシェンド/ディミヌエンドをトリルで表現
    →パルランド(話すような歌い方)をポルタート等で表現


(つづく)


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