●出典:『ショパンのピアニスム―その演奏美学をさぐる』
第1章 ピアノ技法の原理
●概要&感想
(1) 手の位置
有名な「E Fis Gis Ais H Ais Gis Fis E」のポジションから始める。
(長い指を黒鍵に置いた自然な形)
(2) 座り方と構え、5指練習、タッチの柔軟性と指の独立性
座り方:体を傾けなくても鍵盤の両端に手が届く位置、肘は白鍵の高さ。
5指練習:「E Fis Gis Ais H Ais Gis Fis E」をスタカート~レガートで。
(3) 音階とアルペッジョ
長い指が黒鍵を押さえる(例えば)ロ長調から始める。
(4) 黒鍵の利用
長い指を黒鍵に置いて手の支点にし、
その下を短い指が潜って白鍵を弾くという方法が基礎。
(5) 運指法
ショパンの運指法の特徴
・親指を黒鍵にも使う
・多様な指の交差を使う
・同じ指の連続を(違う音に)使う
・各指の特性を生かす
指の力を均等にすることは意味のないことであり、
各指の持つ固有なタッチの魅力を生かすことが重要である。
(6) レガート奏法とタッチの多様性
抑揚とニュアンスをつけたレガート、多様なアーティキュレーション。
(7) ベル・カントとカンタービレ
声のもつ滑らかな性質をピアノ(打弦楽器)でいかに表現するかに腐心した。
・ポルタメント
→同じ高さの係留音、経過音などの装飾音符
・声量や声質、ニュアンスの変化
→同じ音でのクレッシェンド/ディミヌエンドをトリルで表現
→パルランド(話すような歌い方)をポルタート等で表現
(つづく)
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