連載「大人のピアノ練習法」
(2)鍛える:柔軟性とスピード
ピアノに向かって練習する以外に、ピアノ向きの指や手を作り上げるために筋トレやストレッチを取り入れる、という考え方を前回書いた。今回はとくに柔軟性とスピードに注目してみる。
1つ目は「ストレッチ」である。これは、各指の縦方向と横方向の柔軟性を上げるために行う。
縦方向は、それぞれの指を一本ずつ、反対の手を使って手の甲側にそらすことを数回行う。注意点は、あまり強くやりすぎないこと。とくに、小指は思ったより弱いので「優しくゆっくり」が基本である。
横方向は、隣り合う指の間を広げるストレッチである。これも、反対の指でゆっくり広げてあげる。バリエーションとしては、1と5の指の間や、2と4、3と5の間もやるとよい。
2つ目はお薦めの練習方法である。風呂に入っているときに、とくに指を動かすスピードを上げるために行う。具体的には下記。
湯船につかっている間に、底を鍵盤に見立てて、2と3、3と4、4と5などの指の組み合わせでトリルの練習をする。ただ、それだけである。が、ゆっくり温まりながら、それなりのまとまった時間練習できるのと、非常に簡単なので長期間続けることができる。
これはやってみると分かるのだが、「脱力」できていないと、トリルの途中で腕がこわばってくる。なので、最初は繰り返し回数はあまり多くはできない。こわばってきたら、指と手首あたりを一旦リラックスさせてから、もう一度繰り返すとよい。
私自身、この方法で2と3の指のトリルがかなり弾けるようになった。3と4の指のトリルは現在挑戦中、あと一息である。ちなみに、繰り返し回数でいうと、2と3の指だと400回を超えても大丈夫だが、3と4の指だと今のところ100回が限度である。
この練習法法は、トリル以外にも効果がある。苦手な指使いによるフレーズを克服するのに効果を発揮した。これは、たぶんスポーツなどのイメージ・トレーニングと同じような働きをするものと思われる。
なお、私の場合、1つ目のストレッチも風呂の中で行っている。
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