その第一弾として「世界初の身体教育と芸術教育を包括的に行うピアノ教育プログラム」を 8月1日から開始したとのこと。アスリートに対する科学的分析やトレーナーが、初めてピアニストに適用されるみたいなことだろう。とてもいいことだと思う ♪
ニュース記事は下記。
✏️ソニー、10代の音楽家を支援するアカデミープログラム。独自センシング技術など活用(PHILE WEB)
✏️ミュージック・エクセレンス・プロジェクト(Sony CSL)
✏️「ミュージック・エクセレンス・プロジェクト」を始動(Sony CSL)
このプログラムが「課題」としているのは、
「一般的に音楽家は幼少期からの膨大な訓練を必要とし、その過程で身体故障や心理不安を抱え、音楽家として演奏活動の継続が困難となる例が少なくない」
…といった問題だ。ピアニストの場合、手指の故障が一番大きいと思われる。
そもそもピアノ演奏(楽器演奏)は身体活動であるのに、ともすれば芸術的側面や精神的側面だけが重視されてきたことが、上記の問題の一つの要因ではないだろうか。
「芸術教育」を担うのはディーナ・ヨッフェをディレクターとする、6人の日本人講師(尾崎有飛、鯛中卓也、西尾真実、松下寛子、吉岡由衣、吉武優)。恥ずかしながら、一人も名前を存じ上げない。スミマセン…(^^;)。
「身体教育」を担うのは古屋晋一さんをオーガナイザーとするチームである。
第一期生は、オーディションで選ばれた 9名(安藤りこ、大滝知椰、山崎夢叶、木本侑希、嶋田愛子、米滿希咲来、鈴木凛、渡辺康太郎、松岡侑)。こちらも見覚えのある名前はない…(^^;)。10歳から17歳の若手だから…?
「芸術教育」は、月 1回の「音楽監督および講師によるマスタークラス」。期間は来年 5月までなので、10回ということになるのかな…。
「身体教育」の方はレクチャーや、実際の演奏を科学的に分析することによる指導などが行われるようだ。私の場合、こちらの方に興味があるのだが詳細はよく分からない。
何だか面白そうな説明(↓)が書いてある。
「高精度センシングシステム(鍵盤にセンサーを埋め込むらしい)を用いた受講生の動きの癖や演奏中の姿勢、感覚運動機能などの認識を促します」
「身体運動学や神経科学の知見に基づいて効率的かつ適切な身体の使い方や練習法を学ぶことを可能にします」
それらしい写真(↓)も…。
個人的には、こんなところ(↓)にもとても興味がある。「暗譜」と「脱力」は私にとって最重要課題かも知れないので…(^^;)。
「科学研究の成果に基づく効率の良い暗譜の方法や不要な力みの回避方法などを指導します」
いずれにしても、このプログラムが完了した時点で、レポートが出ると嬉しいのだが…。
成果という意味では、来年の 5月以降に「成果発表会」みたいなコンサートがネット配信されると、それはそれで多いに興味のあるところだ…(^^) ♪ 演奏の「before - after」みたいなものがあると面白そうだ…。
なお「これらの技術はドイツのハノーファー音楽演劇大学でも今後展開予定」とのこと。
この本(↓)を読んで以来、ある意味で古屋晋一さんのファンである。ピアノ演奏はもっと進化するはずだという考え方で、科学的にアプローチされているのが面白いし、その成果として、これまで聴いたことのないような素晴らしいピアニストの出現に期待したい ♪
『ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム』(古屋晋一著 春秋社)
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