連載「大人のピアノ練習法」
(8)課題や目標を設定する
それぞれの曲を練習するのは、その曲をうまく弾けるようになりたいからである。したがって、基本的な目標は「この曲を(いつまでに)弾けるようにする」となるだろう。
なのだが、私の場合、「連載(5)曲の中で基本練習を行う」でも書いたように、曲の中で基礎技術なども練習したいので、もう少し具体的な目標を設定するようにしている。簡単な「目標管理シート」のようなものを使うことをお薦めしたい。
〔参考〕
①自分を叱咤激励:目標管理シート:イ短調ワルツの目標設定
②ショパン イ短調ワルツ一応卒業?:イ短調ワルツの結果評価
③ショパン「雨だれ」目標管理シート:「雨だれ」の目標設定
例えば、上記②の例(ショパンのイ短調ワルツ:遺作)での目標設定とその評価は、次のようになっている。評価は大雑把に○(できた)、△(まずまず)、×(できなかった)の3段階評価である。期間(完了日)を設定することも重要である。
◆練習期間:1月1日~2月15日
◆目標:
①止まらずに通して弾けること(録音して確認)→○
②右手:歌うフレージング+装飾音符 →△
③左手:和音をしっかり柔らかく(指の同時打鍵)→△
④右手と左手のバランス →×
⑤音楽の流れ:繰り返し部分の弾き分け →×
次のショパンのプレリュード「雨だれ」では、少し背伸びをして、「ディナミーク+アーティキュレーション」とか「ルバート+アゴーギク」などの設定もしている。
具体的な目標は、その人のレベルや曲によって違うはずだが、要はこの曲を仕上げるに当たって、重要なポイントを設定するのである。それが、技術の向上にもつながるような内容だとさらによい。
もちろん、全体として音楽としての質を上げるとか、表現豊かに弾くとかいうこともあると思う。しかし、全体の印象のような評価基準は、「耳年増」の大人としては、なかなか難しい。
なにしろ、基準が「アシュケナージの弾くショパン」だったりするので…。アシュケナージのレベルを目指しているわけではなく、いつも聴いている(鑑賞している)ものがプロの弾く気に入った演奏なので、どうしてもそれがその曲のイメージになってしまっている。
なので、自分自身のレベルに合わせて、部分的にでも、結果がある程度判定できるような目標をもって練習するとよいのでは、というのがこの「目標管理シート」の目的である。
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