今年は、J.S.バッハ、モーツァルト、シューベルトと 3人の作曲家のピアノ曲を集中的に聴いたこともあり、新たに発見したピアニストの数も多かった。
その中でとくに印象に残ったピアニストを 4人ほどご紹介したい。
1. Ji(本名:Ji-Yong Kim、韓国、1992? - )
この Ji というピアニストは、正統派的なクラシック音楽のピアニストとは一線を画していて、「番外編」的な存在なのだが、「ゴルトベルク」の演奏を聴いてビックリすると同時に、面白くてちょっとワクワクした ♪
米国のジュリアードで学び、ソウル・ジャズ・フェスティバルでも活躍するなど、ジャンルを超えてその才能を発揮しているピアニストのようだ。
初めて「ゴルトベルク」を聴く人にはオススメできないかも知れないが、私が仰天した CD がこれ(↓)。
2. アンドリウス・ズラビス(Andrius Žlabys、リトアニア、1977 - )
この人もバッハの曲で出会ったピアニスト。
私の中では、「イギリス組曲第5番」はアンデルシェフスキの演奏がほぼ定番なのだが、それと同じくらい気に入ったのがこのアンドリウス・ズラビスというピアニストの演奏。
ギドン・クレーメルと一緒に演奏していたり、室内楽で活躍していたりもする。今後ちょっと気にしておこうと思っている。
3. クリスティアン・ツァハリアス(Christian Zacharias、独、1950 - )
ツァハリアスは 1950年生まれなので、今年で 74歳。今回、モーツァルトのピアノ協奏曲第6番で気に入って、シューベルトのピアノソナタ第17番でもトップに挙げたピアニストなのだが、いずれも若い頃の演奏。
モーツァルトでは「明るい伸び伸びとした音色と軽やかな音楽の流れがとても魅力的」、シューベルトでは「やや速めでメリハリと勢いのある演奏がとても気に入った」というコメントを書いている。
ヴラド・ペルルミュテールにも師事していて、スイス・ロマンド管弦楽団の指揮者も務めたことがある。モーツァルトとシューベルトのピアノソナタ、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ協奏曲の全曲録音で名高い人のようだ。
4. バート・ベルマン(Bart Berman、オランダ-イスラエル、1938 - )
ベルマンはシューベルトと現代音楽を得意にしているようだ。作曲家でもあり、シューベルトの未完のピアノソナタ、およびバッハの「フーガの技法」を補筆完成させている。
シューベルトのピアノソナタ第10番などの演奏で気に入った。下記記事では「ダイナミックな演奏。一音一音がクッキリしている、と同時に豊かな響きを聴かせてくれる」と書いている。
その他、昔の有名なピアニストで、恥ずかしながら今になって初めて聴いて気に入った人もいた。
シューラ・チェルカスキー(Shura Cherkassky、ウクライナ、1909 - 1995)はシューベルトのソナタ第13番で、「日本のクラシック音楽ファンにも馴染みのある巨匠」であることを初めて知った。
ユージン・イストミン(Eugene Istomin、米、1925 - 2003)はシューベルトのソナタ第17番で知った。村上春樹さんお薦めのピアニストということで、さすがに素晴らしい。
おまけ。今年出会った沢山のピアニストたち(記事へのリンク集、既出との重複を含む)。
アマンディーヌ・サヴァリ、仏、1984 -
ステパン・シモニアン、露、1981 -
キャサリン・デュラン、スコットランド
《J.S.バッハの全鍵盤作品を聴いて発見したピアニストたち ♪》
アンドリウス・ズラビス、リトアニア、1977 -
シモーヌ・ディナースタイン、米、1972 -
Ji、韓国、1992 -
アンジェイ・シュロンザク、ポーランド、1985 -
《Schubert ピアノソナタ第13番 D 664:愛らしい人気曲で昔の名ピアニストと出会う ♪》
シューラ・チェルカスキー、ウクライナ、1909 - 1995
ソロモン、英、1902 - 1988
【関連記事】
《2024年:記憶に残ったピアニストTop10(1/2)》
《2024年:記憶に残ったピアニストTop10(2/2)》
0 件のコメント:
コメントを投稿