錚々たる顔ぶれのピアニストに混じって、14歳の Arielle Beck というピアニストが Discovery of «Le Piano Symphonique» というプログラムに登場する。
いくつかの音源を聴いてみたが、なかなかいい感じで将来楽しみなピアニストだ ♪
Arielle Beck(アリエル・ベック、仏、2009- ) は、アルゲリッチが審査員を務める "International Young Chopin Competition" の第1回コンクール(2018年)で優勝している。
ピアノフェスティバル «Le Piano Symphonique» のプロフィール(✏️Arielle Beck)には次のように紹介してある。
"born in 2009, was trained in Paris by Igor Lazko and Billy Eidi, after her years with Anne-Lise Gastaldi on the rue de Madrid. In London, she benefits from the Stephen Kovacevich’s advice. Since 2022, the young pianist has been taught by Romano Pallottini."
知っている先生の名前はビリー・エイディとコヴァセヴィッチくらいかな…。
YouTube には本人のチャンネル(↓)もあって、小さい頃から最近までの音源がいくつか上がっている。ざっと聴いてみた。
まず、気に入ったものから。
13歳のときに、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番をポーランドの Opole Philharmonic Orchestra(指揮:Jakub Montewka)と弾いている。
ベートーヴェンは個人的に好きな作曲家なので、聴き方も厳しくなってしまうのだが、アリエル・ベックの演奏は堂々とした演奏で、音もくっきりしたいい音で、ちょっと驚いてしまった。第1楽章のカデンツァなどはとてもいい ♪
羨ましいくらい手が大きく指が長い…(^^;)。その使い方も実に上手だ ♪
もう一つ良かったのがラヴェルの「鏡/ 海原の小舟」。
粒立ちのいい美しい音で、速いパッセージも実にいいし、全体の「うねり」や低音部の利かしも素晴らしい。「鏡」全曲を聴いてみたくなった。
一方で、まだこれからかな?…と個人的に思ったのはショパン。
この(↓)ショパンのエチュード Op.25 は YouTube では一番新しい音源のようだ。
ショパンは得意なのだと思われるが、そして上手いと思うのだが、鑑賞する立場からするとあまり面白味はない。お手本のようなきれいな演奏…。
最初に紹介したベートーヴェンのコンチェルトのあとのアンコールでもショパンのバラードを弾いている。
これだけ弾きこなすのは凄いと思うが、まだ深みのようなものは感じられないのでやや乱暴な印象を受ける部分もある。
全体としては、弾き方がとてもしっかりしているし、ピアノの音を十分に引き出して響かせる力を持っているようなので、今後「熟成」していくにつれ素晴らしい演奏を聴かせてくれるに違いないと思う。
私の好きなベートーヴェンとラヴェルの演奏が気に入ったこともあり、将来楽しみな若手ピアニストがまた一人増えた…(^^)♪
このフェスティバルでの演奏も YouTube に上げてくれないかな…?
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