シューベルト最後の年 1828年に一気に生み出された後期ソナタ 3作品のうちの 2番目。清書譜の最後には「1828年9月26日」という書き込みがある。
シューベルトらしい「融通無碍な(村上春樹さんの引用)とりとめなさ」と「転調の妙技?」、そして美しい旋律と激しい感情の交錯する作品。好きな曲の一つ ♪
シューベルトは、これら 3曲のソナタをフンメル(モーツァルトの弟子 Johann Nepomuk Hummel : 1778-1837)に献呈したいと出版社に依頼したが実現せず、1839年になってようやくディアベリ社から出版された。フンメルはすでに他界していたため、出版社によってシューマンへの献辞が付けられた。
今回も、解説記事などで「名盤・名演」などと紹介されている演奏も含めて 10人近くのピアニストを聴いてみた。…のだが、結局気に入ったのは第19番とまったく同じピアニスト(順番は微妙に異なるが…)だった…(^^;)。
この 3人のシューベルトは私のイメージ(感性)に近いのかも知れない。
第19番のときに最後に見つけて「後期ソナタも期待できそう」と思ったのが、ゲルハルト・オピッツ(Gerhard Oppitz、独、1953 - )。この第20番では一番気に入った演奏となった。長い曲なのに、美しいピアノの響きをもっと聴いていたいと思った。
そしてふと思ったのは、この曲の長大さは、(おそらく)死を予感していたシューベルトが「もっと作品を書き続けたい」と思いながら書いたためなのでは?…とも思った。
もちろん、ポール・ルイス(Paul Lewis、英、1972 - )の演奏も素晴らしいと思う。ただ、第1楽章の冒頭部分(といっても 130小節、楽譜にして 4ページ分)の繰り返しを省略していて、そのせいか、何となく物足りなさのようなものが残った。
まぁ、それでも 12分かかる楽章なのだが(オピッツは 18分)…(^^;)。
♪ Schubert: The Late Piano Sonatas/ Paul Lewis:アルバム
(トラックNo. 8〜11)
💿Schubert/ The Late Piano Sonatas
レイフ・オヴェ・アンスネス(Leif Ove Andsnes、ノルウェー、1970 - )の演奏もいい ♪
♪ Schubert: Late Piano Sonatas, D. 958 - 960 & D. 850 "Gasteiner" レイフ・オヴェ・アンスネス:アルバム
(トラックNo. 5〜8)
💿Schubert Late Piano Sonatas/ Leif Ove Andsnes
参考
✏️シューベルト :ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D 959(PTNAピアノ曲事典)
✏️SCHUBERT online
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《Schubert ピアノソナタ第19番 D 958:ポール・ルイス、アンスネス、オピッツ ♪》
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