シューベルトのピアノソナタ全曲を聴いているせいかも知れないが、今年はシューベルトのソナタを取り上げるピアニストが多いような?…というか、日頃(比較的)親しんでいるピアニストたちが、CD やコンクールでシューベルトを取り上げている。
まぁ、有名な作曲家・ピアノ曲なので、今年に限ったことではないのだろうが…(^^;)。
今年は、私がピアノの神様の一人だと思っているマウリツィオ・ポリーニが 3月に 82歳で亡くなった。そして、ポリーニの最後のアルバムが 9月にリリースされた。
そのプログラムがシューベルト。息子のダニエレとの共演で「幻想曲 ヘ短調 D.940」を弾いていて、ソロではピアノソナタ第18番 D 894 を弾いている。
そして、私にとって強い印象が残ったのが、牛田智大くんのピアノソナタ第21番 D 960。リーズ国際ピアノコンクールのセミファイナルでの演奏だ。
個人的には、ファイナルへの進出を確実にした素晴らしい演奏だと思ったのだが、結果はご存知の通り実に残念なものだった。
この記事(↓)にも書いたが、「粘り過ぎず、打鍵が強過ぎず、細かいところまで神経が行き届いている」という、本当によく練られた名演奏だったと、今でも思っている。
《リーズ国際ピアノコンクールはどこへ行くのか?》 9月21日
アレクサンドル・カントロフが 11月にリリースした新譜はブラームスのピアノソナタ第1番とシューベルトの「さすらい人幻想曲 ハ長調 D 760」。リストが編曲したシューベルトの歌曲も何曲か入っている。
「さすらい人幻想曲」はシューベルトのピアノソナタを語るには欠かせない作品なので、ピアノソナタ全曲を聴く流れの中で聴いた。
カントロフの「さすらい人」も期待しながら聴いたのだが、それなりにいい演奏だと思いつつも、この曲に対する私のイメージとはちょっとズレを感じた。
それから、一児の母となった小林愛実さんが久しぶりに出したアルバムが「シューベルト作品集」。プログラムの中心となっているのは「4つの即興曲 作品142 D 935」と「ピアノソナタ第19番 ハ短調 D 958」。
反田恭平との連弾「ロンド イ長調 D 951」も収録されている。「夫妻共演による初の公式録音」なのだそうだ ♪
こちらは記事にはしなかったので、Warner Music Japan の記事(↓)を引用しておく。
あと、この記事を書くためにネットを検索して初めて気が付いたのだが、シューベルト弾きとしても定評があり、私のお気に入りでもあるポール・ルイスが、
「2024年のいま、彼が取り組むのは、ロンドン、NY、メルボルン、香港をはじめ、全世界約25都市での『シューベルト ピアノ・ソナタシリーズ』」
…というのに取り組んでいたのを、2024年も終わりそうな今になって知った…(^^;)。しかも、シリーズのうち 2つは日本でも開催されていた。
✏️ポール・ルイス -シューベルト ピアノ・ソナタ・シリーズ Ⅰ(ヤマハホール)
上の記事に載っていたポール・ルイスの言葉(↓)がいい ♪
「シューベルトは生涯にわたって演奏し続けていきたい作曲家です。その音楽は人間の本質に基づき、私たちに人生とは何か、生きるとは何かを問いかけてきます」
おまけ。2024年は「フォーレ没後100年」だった…。
勝手に&個人的に「シューベルト・イヤー」などという言葉を使ったので、今年がアニバーサリー・イヤーだった作曲家を調べてみた。
- ブルックナー 生誕200年(1824~1896)
- シェーンベルク 生誕150年(1874~1951)
- フォーレ 没後100年(1845~1924)
- リャプノフ 没後100年(1859~1924)
- ブゾーニ 没後100年(1866~1924)
- ミヨー 没後50年(1892~1974)
リュカ・ドゥバルグが「フォーレ:ピアノ独奏曲全集」を出したのは、「没後100年」記念だったのか…と今頃になって気づいている…(^^;)。
ついでに、来年 2025年はこんな感じ(↓)。ラヴェルとブーレーズが大きいかな?
- ラヴェル 生誕150年(1875~1937)
- 芥川也寸志 生誕100年(1925~1989)
- ピエール・ブーレーズ 生誕100年(1925~2016)
- サティ 没後100年(1866~1925)
- ショスタコーヴィチ 没後50年(1906~1975)
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