この曲は、3年前にバッハの作品100曲を聴くプロジェクト《Bach100BWV🎧》で聴いて記事(↓)にしている。オラフソンの演奏でわりと気に入った曲だ ♪
上の記事にネット情報を元にした解説はある程度書いたので、今回は本『バッハの鍵盤音楽』から少し引用するだけにしたい。
この曲はアリアとそれに基づく短い 10の変奏が続く。「アリア」というのはゴルトベルク変奏曲のアリアと同じ位置付けになる。すなわち、短い「二部分形式」をとり、その旋律ではなく和声とフレージングの輪郭が保たれながら変奏が行われる。
前回《Bach100BWV🎧》の記事では、ピアニスト 3人を聴いて感想(↓)を書いている。
「ギレリスはややしっとり、グールドはややあっさり、オラフソンは多彩な音色で表情が豊か。この中ではオラフソンが一番好みかな…(^^)♪」
オラフソン:
♪ Víkingur Ólafsson – Bach: Aria variata (alla maniera italiana) in A Minor, BWV 989 | Yellow Lounge
ギレリス:
今回は上記以外のピアニストを聴こうと思って YouTube を探してみた。奇しくも女性ピアニスト 3人のアルバムが見つかった。前回は男性 3人…(^^;)?
何となく気に入った順に並べるとこんな感じ(↓)。コルネリア・ヘルマンはしなやかでいい雰囲気を醸し出す。タマラ・ステファノヴィチは知性を感じさせるメリハリのある演奏。アンジェラ・ヒューイットはこの曲に関してはあまり好みじゃないかも…。
トラックNo.10〜20
♪ J.S.バッハ:イタリア協奏曲:アルバム
トラックNo.17〜27
♪ Influences:アルバム
トラックNo.3〜13
上の 3人を聴いたあと、少し検索していたらクリストファー・ヒンターフーバー(Christpher Hinterhuber、オーストリア、1973 - )というピアニストが、ジェフスキーの「不屈の民」変奏曲とのカップリングでこの「アリアと変奏」を録音している CD を見つけた。
♪ Rzewski & Bach: Variations:アルバム
YouTube で聴いてみると、これがなかなかいい。女性 3人を聴いたあとだから?かも知れないが、男性的な印象で、ダイナミックな演奏は表情も豊かで魅力的だった ♪
ヒンターフーバーというピアニストの名前は何となく聞き覚えがある程度で、ちゃんと聴いたのはたぶん今回が初めて。「不屈の民」変奏曲も聴いてみたが、なかなかいい。
ウィーン国立音楽大学でルドルフ・ケーラーやハインツ・メジャモリックらに師事した他、イモラでラザール・ベルマンの薫陶を受けた人だそうだ。
2001年にベートーヴェン国際ピアノコンクールで 2位入賞している。2010年からウィーン国立音楽大学で教鞭をとる傍らで、2012年からアルテンブルク三重奏団(Altenberg Trio Wien)のメンバーとして活動している。
今回はピアニストをたくさん聴いたのでチェンバロは割愛。前回聴いた音源(オランダ・バッハ協会、Lars Ulrik Mortensen)を載せておく。
なお、『バッハの鍵盤音楽』の第6章「種々の初期作品」に含まれる作品は下記。
- BWV921 前奏曲 ハ短調
- BWV922 幻想曲 [前奏曲] イ短調
- BWV917 2つの主題による幻想曲 ト短調
- BWV963 ソナタ ニ長調
- BWV967 ソナタ イ短調
- BWV992 カプリッチョ《最愛の兄の旅立ちに寄せて》
- BWV965 ラインケンによるソナタ イ短調
- BWV966 ソナタ ハ長調
- BWV989 アリアと変奏 イ短調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
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