ラインケンの『音楽の園』(ホルトゥス・ムジクス)第1番の編曲を基本にした作品。ソコロフの素晴らしい演奏のせいか、ちょっと気に入ってしまった…(^^)♪
バッハはラインケンの器楽合奏曲集『音楽の園 Hortus musicus』(1687)を入手し研究していた。BWV965 以外にもこの曲集に基づく作品が二つある(BWV954、BWV966)。
『音楽の園』(↓)には 6つのパルティータ(ソナタ)が含まれており、BWV965 は第1番のほぼ全体をクラヴィーア用に編曲している。
全体はソナタのあとに、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの舞曲が続く。
- Sonata
- Adagio
- Fuga(Allegro)
- Solo Violin. Adagio - Presto
- Solo Viola. Adagio - Presto(BWV965 では省略)
- Allemand
- Courant
- Saraband
- Gigue
フーガはラインケンの主題を用いてはいるが、基本的には新しい作品と考えられる。
舞曲の編曲に関しては、『バッハの鍵盤音楽』のデイヴィッド・シューレンバーグ氏はやや批判的なようだ。「過度に装飾」「手を加え過ぎ」のような、ちょっとやり過ぎなんじゃない?的な解説が多い。バッハの若さの成せる技…(^^;)?
でも、ソコロフの演奏を聴く限りそんなことは感じない。達人の成せる技?
ピアノの演奏はあまり多くはないが、何と言ってもグリゴリー・ソコロフ(Grigory Sokolov、露、1950 - )の演奏が素晴らしい ♪
ラミン・バーラミ(Ramin Bahrami、イラン。1976- )の "J.S. Bach: The Sonatas BWV 963-968" という CD にも入っている。YouTube で聴ける(↓)。BWV965 はトラックNo.13〜20。
♪ バッハ:ソナタ集 BWV963-968:アルバム
これ(↓)はチェンバロによる演奏。弾いているのは Pieter-Jan Belder という人。BWV965 は下記アルバムの中に入っていて、トラックNo.51〜58。
なお、『バッハの鍵盤音楽』の第6章「種々の初期作品」に含まれる作品は下記。
- BWV921 前奏曲 ハ短調
- BWV922 幻想曲 [前奏曲] イ短調
- BWV917 2つの主題による幻想曲 ト短調
- BWV963 ソナタ ニ長調
- BWV967 ソナタ イ短調
- BWV992 カプリッチョ《最愛の兄の旅立ちに寄せて》
- BWV965 ラインケンによるソナタ イ短調
- BWV966 ソナタ ハ長調
- BWV989 アリアと変奏 イ短調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
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