2024年2月12日月曜日

Bach.KB.BWV993:カプリッチョ ホ長調「J.C.バッハを讃えて」リヒテルの名演 ♪

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、今日は「初期のフーガ」の 3曲目、BWV993「カプリッチョ」ホ長調。「ヨハン・クリストフ・バッハを讃えて」という副題がつけられている。J.C.バッハは J.S.バッハの尊敬する長兄。

往年の巨匠スヴャトスラフ・リヒテル(Sviatoslav Richter、ウクライナ、1915 - 1997)の名演奏が残っている。




タイトルの「カプリッチョ」は「奇想曲」という意味ではなく「他に分類しようのない自由な作品」というニュアンスを表している。

バッハの初期作品にはもう 1曲「カプリッチョ」というタイトルを持つものがある。「最愛の兄の旅立ちに寄せて」という副題を持つ有名な作品 BWV992 である。


YouTube でピアノ演奏を探すと、嬉しいことにリヒテルの演奏が見つかった。初期作品では初めてお目(耳)にかかった名演奏かも知れない。複数の録音があるようだ。


これ(↓)は楽譜の表示付き動画。



アンジェラ・ヒューイットの演奏もあるが、リヒテルには敵わない(と私は思う)。



「J.S.バッハ : 鍵盤のための作品全集」に取り組んでいるバンジャマン・アラール(Benjamin Alard、仏、1985 - )はオルガンで弾いている。この曲は最後の方に "Pedal" という指示があるのでオルガンを選んだのかも知れない。

♪ In Honorem Johann Christoph Bachii Ohrdrufiensis in E Major, BWV 993

 この演奏は下記 CD に入っている。

(harmonia mundi、2018-07-13)


おまけ。YouTube ではルドルフ・ゼルキン(Rudolf Serkin、ボヘミア、1903 - 1991)の演奏も見つかった。ところが聴いてみると、これが何と BWV992 の「カプリッチョ」、「最愛の兄の旅立ちに寄せて」の方だ。この「兄」は次兄のヨハン・ヤーコプ・バッハ。


調べてみると、元の CD から間違っているようだ…(^^;)。

『💿BBCレジェンズ・グレート・レコーディングス 第3集』(20CD)というのが 2022年にリリースされていて、この中の Disc 13 に「BWV993」として収録されている。さらに元をたどるとこの CD(↓)かも…。表紙にもしっかり「BWV993」と書いてある。




なお、『バッハの鍵盤音楽』の第5章「初期のフーガ」に含まれる作品は下記。

  1. BWV896 前奏曲とフーガ イ長調
  2. BWV949 フーガ イ長調
  3. BWV993 カプリッチョ ホ長調
  4. BWV947 フーガ イ短調
  5. BWV955 フーガ 変ロ長調
  6. BWV954 フーガ(ラインケンの主題による)変ロ長調
  7. BWV946 アルビノーニの主題によるフーガ ハ長調
  8. BWV950 アルビノーニの主題によるフーガ イ長調
  9. BWV951 アルビノーニの主題によるフーガ ロ短調
  10. BWV957 フーガ ト長調《神よ、慈しみをもって扱いたまえ》
  11. BWV533a 前奏曲とフーガ ホ短調
  12. BWV588 カンツォーナ ニ短調


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)



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