この 25小節の小曲はフーガというより小コラール前奏曲に近いかも知れない。
この作品は長らく真贋が議論されていたが、バッハらの初期のコラール編曲を集めた写本「ノイマイスター・コラール集」に含まれていたことから、ほぼバッハの作品とされた。
ただ、フーガの書法としてはかなり変則的で、主題も元のコラールからは見分けがつかないほど装飾が施されている。
想定される楽器ははっきりしないが、チェンバロ(ピアノ)、オルガンなどいずれの鍵盤楽器でも演奏可能である。
YouTube にはプロのピアニストによる音源は見つからなかった。ただ、アマチュアの演奏はいくつかあり、それなりに人気があるのかも知れない。
オルガンとチェンバロは、プロが演奏している。
オルガンはオランダ・バッハ協会の音源で、Bart Jacobs という人の演奏。楽器は "Christian Müller, 1738"。
チェンバロでは、リナルド・アレッサンドリーニ(Rinaldo Alessandrini、イタリア、1960 - )という人の演奏があった。この人はトン・コープマンに師事したチェンバロ奏者・オルガン奏者・指揮者。
なお、『バッハの鍵盤音楽』の第5章「初期のフーガ」に含まれる作品は下記。
- BWV896 前奏曲とフーガ イ長調
- BWV949 フーガ イ長調
- BWV993 カプリッチョ ホ長調
- BWV947 フーガ イ短調
- BWV955 フーガ 変ロ長調
- BWV954 フーガ(ラインケンの主題による)変ロ長調
- BWV946 アルビノーニの主題によるフーガ ハ長調
- BWV950 アルビノーニの主題によるフーガ イ長調
- BWV951 アルビノーニの主題によるフーガ ロ短調
- BWV957 フーガ ト長調《神よ、慈しみをもって扱いたまえ》
- BWV533a 前奏曲とフーガ ホ短調
- BWV588 カンツォーナ ニ短調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
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