シプリアン・カツァリス(Cyprien Katsaris、仏、1951 - )の端正な演奏がある。
バッハが、アルビノーニの『トリオ・ソナタ集』Op.1(ヴェネツィア, 1694)から主題を借用したフーガには BWV946、950、951 の三つがあるが、この BWV946 は他の二つよりやや早い時期に作られたものと考えられている。
トマゾ・アルビノーニ(Tomaso Albinoni、ヴェネツィア、1671 - 1751)は、バロック音楽の作曲家、ヴァイオリニスト。生前はオペラ作曲家として著名であったが、今日はもっぱら器楽曲、特にオーボエ協奏曲の作曲家として知られている。
作品 1 の『トリオ・ソナタ集』には 12曲が含まれている。バッハが借用したのは BWV946 が第12番第4楽章、BWV950 が第3番第2楽章、BWV951 が第8番第2楽章である。
この BWV946 の元になった第4楽章(終楽章 Presto)は下記。
♪ Albinoni: Trio Sonatas Op.1 (Full Album)(タイムスタンプ 01:26:22〜)
カツァリスのピアノ演奏はこれ(↓)。シンプルでわりと好みの演奏 ♪
この音源は 2021年にカツァリスの自主レーベル「Piano21」よりリリースされた「J.S.バッハ:ピアノ作品集 ~ 未発表1994&2000録音集」に BWV950、951 とともに入っている。
✏️シプリアン・カツァリスによる未発表バッハ・レコーディング!『J.S.バッハ:ピアノ作品集 ~ 未発表1994&2000録音集』(2枚組)(Tower Records)
これ(↓)はチェンバロによる演奏。弾いているのは Robert Hill(米、1953 - ) という人。
なお、『バッハの鍵盤音楽』の第5章「初期のフーガ」に含まれる作品は下記。
- BWV896 前奏曲とフーガ イ長調
- BWV949 フーガ イ長調
- BWV993 カプリッチョ ホ長調
- BWV947 フーガ イ短調
- BWV955 フーガ 変ロ長調
- BWV954 フーガ(ラインケンの主題による)変ロ長調
- BWV946 アルビノーニの主題によるフーガ ハ長調
- BWV950 アルビノーニの主題によるフーガ イ長調
- BWV951 アルビノーニの主題によるフーガ ロ短調
- BWV957 フーガ ト長調《神よ、慈しみをもって扱いたまえ》
- BWV533a 前奏曲とフーガ ホ短調
- BWV588 カンツォーナ ニ短調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️トマゾ・アルビノーニ(Wikipedia)
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