2024年2月16日金曜日

Bach.KB.BWV951:アルビノーニの主題によるフーガ、コルネリア・ヘルマンの演奏がいい ♪

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、「初期のフーガ」から BWV951「アルビノーニの主題によるフーガ」ロ短調。三つ目の「アルビノーニ・フーガ」。 

バッハが長年にわたって改訂し続けたという、お気に入りの曲だったかも…。




バッハが、アルビノーニの『トリオ・ソナタ集』Op.1(ヴェネツィア, 1694)から主題を借用したフーガには BWV946、950、951 の三つがある。この BWV951 の初期稿 BWV951a は BWV950 とほぼ同時期に作られたものと考えられている。

バッハはこの作品を後に徹底的に改訂(分解修理)しており、BWV951 では初期稿の「旧式のカデンツ定型、執拗な音型、こなれていない対位法」などが大きく改善されている。

また、多くの筆写譜が BWV951a と 951 の両方を含んでおり、バッハの「改訂」内容に感心を持った音楽家がいたことを示している。

なお、筆写譜の中には前奏曲 BWV923 を付したものがいくつか存在する。バッハによるものではないと思われるが、そういう組み合わせで演奏されていたと想像される。


トマゾ・アルビノーニ(Tomaso Albinoni、ヴェネツィア、1671 - 1751)は、バロック音楽の作曲家、ヴァイオリニスト。生前はオペラ作曲家として著名であったが、今日はもっぱら器楽曲、特にオーボエ協奏曲の作曲家として知られている。

作品 1 の『トリオ・ソナタ集』には 12曲が含まれている。バッハが借用したのは BWV946 が第12番第4楽章、BWV950 が第3番第2楽章、BWV951 が第8番第2楽章である。

この BWV951 の元になった第8番第2楽章(Allegro)は下記。

♪ Albinoni: Trio Sonatas Op.1 (Full Album)(タイムスタンプ 54:30〜)


この作品も BWV950 と同じく、グールド、カツァリス、コルネリア・ヘルマンが録音したものがある。どれもそれぞれに良さがあると思うので、三つ並べておく。

なお、ヘルマンは前奏曲 BWV923 と合わせて演奏している。この曲に関しては、ヘルマンの流れるようなピアノの響きが一番気に入った…かな…(^^)♪

グレン・グールド(Glenn Gould、カナダ、1932 - 1982):


シプリアン・カツァリス(Cyprien Katsaris、仏、1951 - ):


コルネリア・ヘルマン(Cornelia Herrmann、オーストリア、1977 - ):



チェンバロは、ピエール・アンタイ(Pierre Hantaï、仏、1964 - )の演奏があったので聴いてみた。この落ち着いた感じの演奏もなかなかいいと思う ♪

♪ Fugue on a Theme by Albinoni in B Minor, BWV 951


なお、『バッハの鍵盤音楽』の第5章「初期のフーガ」に含まれる作品は下記。

  1. BWV896 前奏曲とフーガ イ長調
  2. BWV949 フーガ イ長調
  3. BWV993 カプリッチョ ホ長調
  4. BWV947 フーガ イ短調
  5. BWV955 フーガ 変ロ長調
  6. BWV954 フーガ(ラインケンの主題による)変ロ長調
  7. BWV946 アルビノーニの主題によるフーガ ハ長調
  8. BWV950 アルビノーニの主題によるフーガ イ長調
  9. BWV951 アルビノーニの主題によるフーガ ロ短調
  10. BWV957 フーガ ト長調《神よ、慈しみをもって扱いたまえ》
  11. BWV533a 前奏曲とフーガ ホ短調
  12. BWV588 カンツォーナ ニ短調


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)

✏️トマゾ・アルビノーニ(Wikipedia)


※ PTNAピアノ曲事典では BWV923 を「幻想曲」と書いているが「前奏曲」が正しい。また BWV951a を「後期稿」としているが「初期稿」の間違いだと思われる。複数の解説記事と書籍『バッハの鍵盤音楽』で BWV951a は "early version"(初期稿)となっている。



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