グレン・グールドが素晴らしい演奏を残してくれている ♪
バッハが、アルビノーニの『トリオ・ソナタ集』Op.1(ヴェネツィア, 1694)から主題を借用したフーガには BWV946、950、951 の三つがある。が、この BWV950 は BWV951 とほぼ同時期、BWV946 よりは後に作られたものと考えられている。
トマゾ・アルビノーニ(Tomaso Albinoni、ヴェネツィア、1671 - 1751)は、バロック音楽の作曲家、ヴァイオリニスト。生前はオペラ作曲家として著名であったが、今日はもっぱら器楽曲、特にオーボエ協奏曲の作曲家として知られている。
作品 1 の『トリオ・ソナタ集』には 12曲が含まれている。バッハが借用したのは BWV946 が第12番第4楽章、BWV950 が第3番第2楽章、BWV951 が第8番第2楽章である。
この BWV950 の元になった第3番第2楽章(Allegro)は下記。バッハは主題だけではなく、2〜3の旋律線を借用していて、エピソード部分などで使っている。
♪ Albinoni: Trio Sonatas Op.1 (Full Album)(タイムスタンプ 18:56〜)
グレン・グールド(Glenn Gould、カナダ、1932 - 1982)の素晴らしい演奏が残されている。快活で勢いのあるこの演奏は好きだ ♪
一方、BWV946 でもご紹介したシプリアン・カツァリス(Cyprien Katsaris、仏、1951 - )の落ち着いて端正な演奏もいい。
音源を探しているときに Cornelia Herrmann という聞き覚えのある名前に出くわした。とりあえず演奏(↓)を聴いてみると、これもなかなかいい ♪
自分のブログを検索してみると、私がピアノを始めて間もない頃(2015年)、ピアニストの勉強?をしているときにチェックした一人だった。"A-" なので高評価だ。
改めて調べてみると、コルネリア・ヘルマンはドイツ人の父と日本人の母のもとにザルツブルクで 1977年に生まれている。1996年、ライプツィヒで開催されたJ. S. バッハ国際コンクールで、最年少19歳で最高位を獲得しているので、バッハが上手いのは当然だ ♪
チェンバロは、バンジャマン・アラール(Benjamin Alard、仏、1985 - )の演奏を聴いてみた。この人「新進気鋭」ということになっているが、どうも私の好みとは少しズレているのか、琴線に触れるようなところをあまり感じない。上手いとは思うのだが…。
なお、『バッハの鍵盤音楽』の第5章「初期のフーガ」に含まれる作品は下記。
- BWV896 前奏曲とフーガ イ長調
- BWV949 フーガ イ長調
- BWV993 カプリッチョ ホ長調
- BWV947 フーガ イ短調
- BWV955 フーガ 変ロ長調
- BWV954 フーガ(ラインケンの主題による)変ロ長調
- BWV946 アルビノーニの主題によるフーガ ハ長調
- BWV950 アルビノーニの主題によるフーガ イ長調
- BWV951 アルビノーニの主題によるフーガ ロ短調
- BWV957 フーガ ト長調《神よ、慈しみをもって扱いたまえ》
- BWV533a 前奏曲とフーガ ホ短調
- BWV588 カンツォーナ ニ短調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️トマゾ・アルビノーニ(Wikipedia)
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