2020年10月7日水曜日

BTHVN op.75: 6つの歌 Gesänge、ベートーヴェンのユーモア ♪

「ベートーヴェンの全作品を聴く」プロジェクト《All BTHVN 🎧》、今日は Op.75 の「6つの歌」(Gesänge)(1809: 39歳)。

この作品が出版されたのは 1810年だが、ベートーヴェンは 20代の頃からゲーテなどの詩をもとにした歌を構想しており、散発的に作られた 6つの曲がまとめられたもの。


Op.75

🎼 List of works by Ludwig van Beethoven


6曲のタイトルはこうなっている(↓)。
  1. Mignon. Ziemlich langsam
  2. Neue Liebe, neues Leben. Lebhaft doch nicht zu sehr
  3. Aus Goethes Faust. Poco allegretto
  4. Gretels Warnung. Etwas lebhaft mit liedehschaftlicher Empfindung, doch nicht zu geschwind
  5. An den fernen Geliebten. Larghetto
  6. Der Zufriedene. Froh und heiter, etwas lebhaft

日本語では下記。
  1. ミニヨン
  2. 新しい恋、新しい人生
  3. ゲーテのファウストより(ノミの歌)
  4. グレーテルの警告
  5. 遥かなる恋人に寄す
  6. 満ち足りたもの

で、その内容(歌詞)が面白い。ちょっとモーツァルト的…?


例えば、第3曲の「ノミ(蚤)の歌」はゲーテの「ファウスト」の中でメフィストフェレスが歌う歌だが、

ある王様が大きなノミを飼っていて、立派な服を着せて大事にしていたため、お妃や侍女たちは刺されるやらかじられるやら大変な目にあう…

…みたいな内容だそうだ…(^^)♪


第4曲の「グレーテルの警告」の歌詞はこんな感じ(↓)。

色目と戯れと歌で、誘ってきたの、若く美男子のクリステルが。私は彼にのぼせて、彼は私のすべてを奪ったの、でも、もうそれからは私を喜ばせてくれない。不実な男があなたにぞっこんになっても、信じちゃだめ、男の言うことなんか


以上、出典は下記。




ちなみに、ドイツ語の歌は「リート」だと思っていたのだが、「リート」(Lied)は有節歌曲で、「ゲザング」(Gesänge)は通作歌曲だそうだ。

有節歌曲というのは、同じ旋律に 1番の歌詞、2番の歌詞…とつけるお馴染みの形式。通作歌曲は、曲を通して歌詞が進むにつれて違う旋律がつけられていく。

ただ、それほど厳密な区別はないのかも知れない。「ノミの歌」は前奏・間奏があるものの、基本的には「3節の有節歌曲」になっているようだ。


ペーター・シュライアー(Peter Schreier、テノール)とナタリー・ペリッツ(Natalie Pérez、メゾソプラノ)の歌で聴いてみた。1・4・5番が女声、2・3・6番が男声となっている。歌詞の内容に合わせているのか…な?



ドイツ語が聞き取れるともっと楽しめるだろうが…(^^;)。



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