「ベートーヴェンの全作品を聴く」計画の次の曲が作品7のピアノソナタ第4番だったので、さっそく聴いてみた。すごい演奏だ ♪ 最初の10秒で心を鷲掴みにされた…(^^)♪
実はピアノソナタ4番は、何度か聴いているはずなのにあまり印象に残っていない…(^^;)。今回も、ファジル・サイを聴く前日ぐらいにバレンボイムの演奏を聴いて、あぁこんな曲だったっけ…という感じだったのだ。
それが、ファジル・サイを聴いて目が覚めた!
なんというか、美しく力強いピアノの音が溢れ出てほとばしる感じ、音が輝いている。音楽の流れが実に瑞々(みずみず)しい。音楽が生きている ♪
押し付けがましい訳ではないのにこちらに迫ってくるものがある。心地よい音楽のエモーションのようなものが…。
この9枚組の全集は、2017年5月の時点でベートーヴェンのソナタを14曲しか演奏したことのなかったファジル・サイが「2020年までに残りの18曲を完璧に学ぶことを自身の目標」にして完成させたもの。
演奏を聴いてみると、彼が語っていること(↓)はとても納得できる。
「最高の鮮度と輝きで音楽を表現したかった」
「まるでオーケストラを聴くように、私自身の心の中の声も含め“指揮をするつもり、また過去の優れた指揮者の音を再現するかのように”全ての音を表現しました」
「ベートーヴェンが隣に座って私に音楽を教えてくれるかのような想像を巡らしながら、録音に臨みました」
「音楽は常に何かと関連付ける必要があり、物語を明確にする必要があります。旋律に名前を付け、ドラマ化すること。この考えをソナタ全集にも応用しています」
以上の出典は下記の記事。
✏️ファジル・サイが満を持してベートーヴェンの“ピアノ・ソナタ全集”を録音!(9枚組)
これまでにも、ベートーヴェンのピアノソナタすべてを録音したピアニストは沢山いる。
アマゾンで「ベートーヴェン ピアノソナタ全集」で検索すると、バックハウス、ポリーニ、ケンプ、ブレンデル、バレンボイムといった錚々たる名前が出てくる。
そういう「名演」もいいのだが、個人的には同時代を生きているピアニストの新しい演奏を聴きたいと思っている。ファジル・サイも、上の記事で「音楽は再生されるたびに新しいものでなければなりません」と語っている。その通りだと思う。
そして、ファジル・サイのこの全集はまちがいなく、現代に新しい名盤が生まれたことを示している。私にとって手放せない演奏になると思う…(^^)♪
一つだけ難点をあげるとすれば、ところどころで(たぶん興が乗ったところで)ファジル・サイが歌っている(唸っている…?)こと。グレン・グールードみたいに…(^^;)。
「心の中の声」が思わず出てしまった…ということなんだろう。そういうのが好きな人も、まぁ、いるかも知れないが…。
ファジル・サイの「ベートーヴェン:ピアノソナタ全集」(Warner Classics、2020.1.17発売、9枚組CD)はコレ(↓)。
Beethoven:.. -Box Set-
タイトル付きの4曲をセレクトした限定盤(↓)もあるようだ。2月26日発売予定。
【Amazon.co.jp限定】ベートーヴェン:悲愴、月光、ワルトシュタイン、熱情(UHQCD) (デカジャケット付)
ちなみに、YouTube には2〜3の動画があがっている。
Fazıl Say – Beethoven: Piano Sonata No. 8 in C Minor, Op. 13, "Pathétique": III. Rondo (Allegro)
Fazıl Say – Beethoven: Piano Sonata No. 14, "Quasi una fantasia" (Moonlight): I. Adagio sostenuto
Warner Classics のサイト(↓)からは Apple Music、Spotify などへのリンクがある。
✏️Beethoven: Complete Piano Sonatas
おまけ。そういえば、イゴール・レヴィットも 2020年を記念してベートーヴェンのピアノソナタ全集を出したことを思い出した。こっちも聴いてみなくちゃ…♪
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集
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