きっかけは、YouTube のおすすめ動画というのか、横にズラーっと(PCの場合…)出てくる動画の中にたまたまあったコレ(↓)。
Poulenc : Concerto pour piano (Maroussia Gentet)
聴いてみると、「キャッチー」とでも言うのか…印象的な旋律から始まって、なかなかいい雰囲気を醸し出しているのだ。で、何となく最後まで聴いてしまって…(^^)♪
例えば、ベートーヴェンの「皇帝」とか、ラフマニノフのピアノ協奏曲とは「別世界」?みたいなところもあり、映画音楽にでも使えそうな曲なのだが、BGMとかポピュラー音楽ではなく、ちゃんと「クラシック音楽」になっている、そんな印象の作品だ。
「フランス音楽」的と言ってもいいのかも知れない…? 多彩に繰り出されるメロディーが魅力の源泉なのかも…。
フランスのピアノ曲はドビュッシーとラヴェルを中心に割と好きなのだが、プーランクのピアノ曲というと「エディット・ピアフを讃えて」くらいしか思いつかない…(^^;)。
《【ピアノ曲】プーランクといえば??》
《候補曲メモ:プーランク、フォーレ、パデレフスキ》
ましてや、プーランクがピアノ協奏曲を書いているとは、この曲を聴くまではまったく知らなかった…。
念のため、PTNAのピアノ曲事典で調べてみると、「ピアノ協奏曲」としては次の3つが挙げられている。私が聴いたのは2番目の FP.146 である。
- 協奏曲(2台のピアノと管弦楽のための) ニ短調
- ピアノ協奏曲 FP.146 嬰ハ短調
- ピアノと18の楽器のための舞踏付き協奏曲《オーバード》
FP.146 はあまり有名ではないのか、音源も少ない。「2台のピアノ…」の方は、マルタ・アルゲリッチ、ニコラ・アンゲリッシュ、チョン・ミョンフン(指揮)という豪華メンバーの動画(↓)があったりして、むしろこっちの方が有名なのかも…。
ただ、私の好みとしては FP.146 の方が好きだ ♪
ちなみに、この動画の最後にはチョン・ミョンフンも加わって、ラフマニノフの "Romance for piano 6 hands" というのをアンコール演奏している。ちょっと面白い…(^^)。
♪ Martha Argerich & Nicholas Angelich play Poulenc Two Piano Concerto + Encore
※追記@2022/10/26:残念ながらこの動画は「再生できません」になったので、割と新しい(2020年1月10日)動画(↓)に差し替えた。ピアノはアルゲリッチと Shin-Heae Kang(カン・シンヘ)というピアニスト(初めて聞く名前だ)、Andrew Manze 指揮 NDR Radiophilharmonie。
有名ピアニストの演奏がないかと思って、Spotify を探してみた。(YouTube 動画で演奏している Maroussia Gentet というピアニストはまったく知らないので…)
すると、わりと最近(去年の7月)知ったフローリアン・ウーリヒというピアニスト(シューマンの全ピアノ作品録音で評価されている→《F.ウーリヒ Florian Uhlig シューマン・ピアノ曲の決定版 ♪》)の CD(↓)があった。
19世紀フランスのピアノ協奏曲集(Debussy, Poulenc, Ravel, Francaix)
こちらの方がよりクラシカルな?演奏のような気がするが、なかなかいい感じだ ♪
この CD には、他にもラヴェル、ドビュッシー、ジャン・フランセ(知らない…)のピアノ協奏曲が入っている。
ドビュッシーの作品は "Fantaisie"「ピアノと管弦楽のための幻想曲」というタイトルであるが、これもたぶん聴いたことがない曲なので、あとで聴いてみようと思う。ジャン・フランセという初めて聞く作曲家の協奏曲も…。
ちなみに、あとで分かったことだが、YouTube にこの CD の音源があがっている。楽章ごとにバラバラではあるが…。コレ(↓)は第1楽章。ご参考まで。
Piano Concerto, FP 146: I. Allegretto
おまけ。Wikipedia の解説によると、プーランクはこの作品でいろんなメロディーを借用しているようだ。
第1楽章では、「ビゼーの歌劇『カルメン』の『花の歌』から、応答旋律まで」が現れ、第3楽章「フランス風ロンド」では、「フォスターの『故郷の人々』や、オッフェンバックの曲の断片」などが…。
どうりで、印象的なメロディーが多く聴きやすいわけだ。
ただ、本人自身の初演では「…純粋の熱狂というよりは、聴衆側の友情というものだった。熟考を施した寄せ集めである『ロンド・ア・ラ・フランセーズ』はいささかショックであったらしい。弾いているうちに、聴衆の間に興味が停滞して行くのに私は気づいた」(プーランクの日記)とやや残念な思いをしたらしい。
アンリ・エルの好意的な批評がこの曲の特長をよく表していると思った。
「ピアノはロマン派の協奏曲のような仰々しさを帯びていないし、また主題が伝統的な方法で展開されることもない。それは主題というよりは、旋律の協奏曲であり、それがこの曲の特質の一つなのである」
ときどき、聴いてみたくなりそうな曲だ…(^^)♪
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