今回、とくに気がかりなのが、なかなか暗譜ができないということ。A 部分はかなり前に暗譜できているのだが、なぜか B 部分(↑)が覚えられない。
和音が次々に変わっていくのと、その中で、アルペジオの音の組み合わせや順番が微妙に違うのが理由の一つかもしれない。やはりこの楽章は即興的な性格を持っているのか…な?
それと、私の「暗譜」の仕方が「頭で覚える」に偏っているので(たぶん)、こういう曲は苦手なのかもしれない。もっと「音楽的」に曲を把握するとか、あるいは「指で覚える」努力が必要なのかも…(^^;)?
少し進歩したかもしれないと思うのは、部分的にではあるが「コントロール感」を持って弾けるようになってきたこと。少なくとも、自分自身の感覚としては。
次の音をどう弾くのかを、意識しながら弾けるようになった箇所が増えてきたような気がする。まぁ、これはテンポが遅いから出来ることなのかもしれないが…。
意識があって「コントロール感」があるからといって、必ずしもミスタッチしないとか、意識した通りの音が出せるわけでもないのだが、少なくともうまくいく確率は上がっているのではないだろうか?
ただ、やはり「暗譜」が完全でない箇所についてはこれが出来ないので、当面の一番の課題は「暗譜」ということになる。
ところで、「なんちゃってアナリーゼ」をやったあと、図書館の棚で目についた『ベートーヴェンを “読む”』という本を借りてみた。
実はこの本、図書館にあるのは知っていたのだが、アマゾンのカスタマーレビューで「誤訳・ミスプリントが多い」という評価だったので、一旦は借りる(予約する)のをやめた本なのだ。
でも、なにせ情報が少ないので「藁にもすがる」気持ち?、というか「何かあればラッキー」という気分で目を通した。結果的には、どう弾くか悩んでいたコーダの部分で参考になる話があった。少し抜粋すると…。
「オペラのレスタティーヴォのような短い終結部」
「最高音域から最低音域までの飛躍を伴うソプラノの下降によるモーツァルト的な表現」
「旋律はソプラノからバスまで下降するが、あたかも1人の声で歌われているかのよう」
実は、A 部分についても、「オペラ的な色合いを帯びている」「(各小節の休符は)歌手が短い一つ一つの動機の後でブレスのために歌を止めているかのようだ」「すべての沈黙に感情的なエネルギーが込められている」…というように「オペラの歌」をイメージさせると書いてある。
これを弾きかたにどう反映するのか?…というのは私にとっては難問なので、少なくともそういうイメージを持って弾くことを試してみようと思っている。
そして、第2楽章全体については、
「ベートーヴェンの最もドラマチックな作品の一つであるこのソナタの中でも、素晴らしい創意を示している。彼の独自性は、和声のパターンよりも、ダイナミクスやテクスチャに現れている」
…と書いてある。「ダイナミクスとテクスチャ」か…、少し考えてみるとしよう…。
ちなみに、この本の著者はチャールズ・ローゼンというわりと有名な人で、2014年に『ピアノ・ノート』という本を読んだことがある。
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