昨日の記事(↓)の続き。今回はピアノに関することを中心に。
タス通信の英文記事(マツーエフの長いインタビュー)は下記。
✏️Denis Matsuev: That extraordinary idea worked( TASS, Russian news agency)
※追記@2023/09/15:リンク切れ
🎼音楽家は体力勝負?
マツーエフを見ているといかにも強靭そうな印象だが、昨年はなんと264回ものコンサートをこなしたそうだ。1日のうちにヨーロッパとアメリカでコンサートをしたり、異なる3つのプログラムで1日3回のコンサートをやったこともある…と言っている。
面白かったのはマツーエフ流「ちゃんと演奏できたかどうかの基準」。
「コンサートが終わったあと、体重が数キログラム減っていることが目安だ。昨日も3キロ減った。ステージが終わったあと汗だくになってないピアニストが信じられない…」
アスリートだ…(^^;)。実際、活動的な子供時代を過ごしたようで、ホッケーの試合などで右手を3回骨折しているらしい。また、大のサッカーファンで、ロシア・スーパーカップでの始球式の写真も載っている。
🎼レパートリー
マツーエフはレパートリーとして「22のソロ・プログラムと43のコンチェルト」を持っている、と語っている。
「レパートリー」ということは、いつでも暗譜で弾けるということ?…とすると、これはすごい数だ。「ソロ・プログラム」は1〜2時間分だろうし…。プロのピアニストって、みんなこうなのだろうか?
さらに、毎年、2つのコンチェルトと1つのソロ・プログラムを新しく追加することを継続しているそうだから、忙しい中で大したものだ。どうやって暗譜するのか気になるところだが、こんなこと(↓意訳)を言っている。
「暗譜は機械的に音符を覚えたりするのではなく『音楽』を自分のものにする。だから移動の飛行機の中でヘッドホンで聴いたり、暇さえあれば楽譜を見る。暗譜に鍵盤は必要ない。ホテルでは夜に電子ピアノを使うこともある…」
ちなみに「演奏しない作曲家はいるか?」と聞かれて、
「フレデリック・ショパン。何か違うんだ(Something is wrong)。なぜか分からないが、ショパンの作品に "true romance" を持てないんだ。2つのコンチェルトと24のプレリュードは弾けるけど…」
…と即答。感性が合わないんだろうか?何となく分かる気もする。
一方、ジャズは好きなようで、セッションに参加したりしているそうだ。
25年前にモスクワ音楽院に入るときの試験?でも、セルゲイ・ドレンスキー教授の前でジャズを披露している。ドレンスキー教授からテーマをもらって、それで即興演奏をやったら、他の教授が次々に集まってきて2時間ほどもジャズを弾いた、と言っている。
なお、ゲルギエフと一緒に日本で「ラフマニノフ・マラソン」というのをやることになっているらしい。ラフマニノフの全4曲のピアノ協奏曲!これ(↓)かな?
✏️ラフマニノフの祭典2017 現代最強のコンビで聴くロシアの魂(Japan Arts)
🎼最高のピアニストは?
マツーエフの考える最高のピアニストは誰?と聞かれて…。
「ラフマニノフが間違いなく一番、他から抜きん出ている。私にとってはアイドル。それから、順番は付けられないが、リヒテル、ホロヴィッツ、ギレリス、ミケランジェリ」
「現役では、アルゲリッチ、ラドゥ・ルプー、ソコロフ、プレトニョフ、ポリーニ」
ポリーニは「現役」と言えるかどうか…(^^;)?
数日かけてやっと読んだ4ページの記事。マツーエフは、やはりラフマニノフなんだと妙に納得…。愛国心・郷土愛(シベリア、イルクーツク)も強いようで、ロシアから出ることは考えてないそうだ。
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