現代ピアノ音楽の作曲家探索中(↓)に、面白い国際ピアノコンクールを見つけた。オーストラリアの作曲家ジュリアン・コクランにちなんだ「コクラン国際ピアノコンクール」。完全オンライン完結型のコンクールで、しかも年齢制限がないという珍しいもの。
このページ(↓)には、コクランのピアノ作品の一覧表と楽譜サンプル(PDF)、いくつかの音源が掲載されている。楽譜はサンプルといっても、参加者がコクランの作品を選ぶためのものなので半分ほど見ることができる。
一応、YouTube チャンネルもある。
ルールはいたってシンプル。参加するにはアカウント登録をして、ビデオ(30〜40分)をアップロードするだけでよい。参加費も不要だ。年齢制限もない。
ただし、コクランの名を冠したコンクールなので、15〜20分はジュリアン・コクランの作品を弾かなければならない。ある意味、これがコンクールの目的かも? 事前に曲目を申請すると、楽譜を送ってもらえる。(出版されていないのかな?)
審査員は4人で、各審査員は個別に点数をつけて、その合計点で順位が決まる。審査委員長もいないし、お互いのコミュニケーションもなし。たぶん、それぞれが自宅とかのパソコンでビデオを見て点数をつけるのでは?
今年の審査員は次の4人。恥ずかしながら一人も名前を知らない。
Yejin Gil / South Korea, Germany
Kevin Kenner / USA
Gil Sullivan / Australia
Krzysztof Jabłoński / Poland
ちなみに、この中のケヴィン・ケナー氏は、中村紘子さんの著書「コンクールでお会いしましょう」に登場していたようだ。
演奏は抜群だったが、胃腸が弱いためにショパンコンクール(1990年)では1位を取れなかったという人らしい。といっても、1位なしの2位だ。このときの3位が横山幸雄さん。
コクラン国際ピアノコンクールの第1回は2015年で、その優勝者が Svetlana Gololobova というウクライナの女性。2回目の2016年は Piotr Grelowski という男性。二人ともまったく知らない人だ。
入賞者?("HONORABLE MENTION RECIPIENTS")の中に高橋絵里子さんという日本人が一人いるようだが、この人も知らない。コクランのピアノソナタの音源を探したときに見つけた YouTube 動画が彼女の演奏だった。第3楽章がいい ♪
優勝すると、ワルシャワでCD録音して、発売・プロモーションコンサートなどをしてもらえるようだ。賞金は「2万ユーロ相当」と書かれているので、現金はもらえない(CD録音やそのための旅費等の金額?)のかも…?
面白いのは副賞。ワイヤレス・マイクロホン、ヘッドホン、ピアノの椅子などがある。ピアノとかの賞品をもらえるコンクールはあったような気がするのだが…。スポンサー会社の製品と思われる。
ところで「珍しい」コンクールとしてご紹介したが、これを書いていて思い出したのがこれ(↓)。
自分で記事を書いていて、忘れてしまっていた…(^^;)。
この「マンハッタン国際音楽コンクール」も2016年に始まっているので、最近はオンラインだけのコンクールも増えているのかも知れない。…でもやはり、録画した音と生の音では相当に違うと思うし、ピアノ演奏以外に「録画技術」みたいなものも関係してくるので、ちゃんと聴衆がいるホールでの審査の方がいいような気もする。
…とはいえ、聴く方もネットを通じてイヤホンやヘッドホンで聴くことの方が多いわけで…、オンラインで評価するというのもあながち的外れではないのかも…。
ただ、こういう「コンクール」はファンにとってはまったく面白みがない。各ステージの各コンペチタの演奏を「あーだこーだ」言いながら、勝手に優勝候補や応援するピアニストを決めて途中経過を楽しみ、結果に対してもまた「あーだこーだ」言って騒ぐ?という、競技?を観て楽しむ「観戦」の面白さがないのだ。
せめて、ビデオを一般公開して、一般人からの人気投票をして「聴衆者賞」を選ぶ、なんてものがあれば少しは面白くなるかも知れないのだけど…(^^)♪
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