今日から9月、月日の経つのは早いものである。
昨日でドビュッシーの「ベルガマスク:プレリュード」は「一応」終わったことにした。仕上がったというレベルではないが、今の自分の実力で出来るところまでは到達した、という判断である。当初の感触からすると、思ったより弾けるようになったというのが、ちょっと自分に甘いかもしれないが、正直な感想である。
プレリュードを始めたころと今を比べて、上達したと思える点を自己評価してみる。
① 難所の(大体)クリア
私にとっては「難所」の連続のような曲であった。しかし、後半になってからは、思ったよりクリアできてきたと思う。不安な部分がまだ2〜3カ所あるが、全体としてはよくがんばった方ではないだろうか。下記の記事に書いたような、練習方法のいくつかの工夫と、いろんな「気づき」が役に立ったと思っている。
② 弾いたあとの脱力
これが今回の成果で一番大きかったと思う。私にとって、たぶん「脱力」はピアノの練習での永遠のテーマであるが、今回の「プレリュード」で一歩前進したと実感している。
ポイントは、「弾いた鍵盤に執着しない」みたいな感覚。言い換えると、いつまでも押さえていない、力を入れ続けないということが一つ。
もう一つは「鍵盤からの早期離脱」というか、次の音を準備するために、場合によっては早めに指を離してしまうということ。この2つを意識して行うことで、多くの難所をクリアできたと思っている。
そのあたりは、下記の記事にまとめてあるのでご参考まで。
③ フレーズのつなぎ方
これはまだ完璧ではないのだが、少しはフレーズのつなぎ方も上達したのではないかと思っている。例えば、
・フレーズの終わりで少しルバートして次のフレーズを準備する
・終わりの音をペダルで保持し次を準備してからペダルを踏み替える
ことは、意識して出来るようになった(少なくとも、やろうとしている)。
④ 左手の速いアルペジオと右手との同期
これもまだ発展途上だとは思うのだが、少なくとも「右手との同期」については少し分かってきたような気がする。
同期のパターンについては、拍の頭で合わせる、途中で合わせる、左手→右手とアルペジオをつなげる、の3つの基本形があると思っている。
途中で合わせるパターンには、どこで合わせるかによってバリエーションが出てくる。本当は、結果としての音(響き、音楽)でパターンを選ぶべきなのだろうが、今のところ「弾きやすさ」優先になっている。
⑤ ディナミーク(強弱)
今回の曲は、どう弾くか(どう弾けば気持ちがいいか)でちょっと苦労したこともあり、強弱の付け方がうまくいかなかった。それを意識すればするほどぎこちなくなっていった。
一つ分かったことは、私は「小さい音を出すこと」が下手であること、である。小さくてしっかりした音が出せない。なので、"p"や"pp"はもちろん、ディミヌエンドがうまくいかないのだ。小さく弾こうとすると、芯のない音になったり、逆に音が出ないことを恐れてびっくりするような大きな音になってしまったり…。
ただ、そういう課題を認識することが今後の進歩につながるはずなので、これも今回の成果の一つとして評価したい。
…ということで、十分に自己満足できた訳ではないが、プレリュードは昨日でいったん終了ということにした。今日からは次の曲を選ぶための「選曲週間」として、いろいろと楽しみたいと思っている。
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