「線の音楽」(近藤 譲 著)
1979年、日本の現代音楽に革新をもたらした記念碑的名著、待望の復刊!
十二音音楽、総音列音楽、音群的音楽などを「イディオレクト(個人言語)」として退け、「線の音楽」へと歩を進めた作曲家の処女音楽論。
2012年にはアメリカ芸術・文学アカデミーの終身名誉会員(日本人音楽家としては武満徹に次いで2人目)に選出され、 名実ともに日本を代表する作曲家となった著者が、若き日に著したみずからの芸術のマニフェストです。
この本は下記のように4つの部分から構成されており、「線の音楽」に関する音楽論は最初の「アーティキュレイション」で述べられているので、この章の読書メモとなる。
【目次】
アーティキュレイション
散奏
ジョセフ・ラヴ
音楽的時間
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「アーティキュレイション」は4つの章からなっている。前半では、ジョン・ケージやシェーンベルク等の現代音楽のながれを主に作曲技法の側面から辿っており、後半では、「線の音楽」に至った理由から、その具体化、今後の課題などが解説されている。
かなり難解な部分もあるが、作曲家たちが何を悩み、何を考えながら曲作りをしてきたのかが分かって面白い。またこの著者の視点からみた現代音楽の歴史的流れの説明は、それなりに納得できるものである。
まずは本の内容にそって、抜き書きに近いレベルのノートを作成しようと思う。最後に、可能であれば、私なりの要約をしたいと考えている。
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