特集第1回ということで、これまでの16回のショパン・コンクールの大まかな歴史が分かりやすく解説してある。いくつか興味深かったことを書いてみる。
大物のほとんどは10代で優勝/入賞している。1965年のアルゲリッチ23歳、2005年のブレハッチ20歳、2010年のアヴデーエワ25歳を除いて、17歳〜19歳が多い。アシュケナージは2位だが17歳、ポリーニ、ツィメルマン、ユンディ・リが18歳、ブーニンが19歳である。
日本人が思ったより多いのにも驚いた。ざっと拾い出してみると…。(丸付き数字は入賞順位、かっこ内の数字は年齢)
第3回(1937年) 原智恵子、甲斐美和 ※初参加
第5回(1955年) ⑩田中希代子(23) ※初入賞
第7回(1965年) ④中村紘子(20) ※優勝はアルゲリッチ
第8回(1970年) ②内田光子(21) ※日本人最高位
第10回(1980年) ⑤海老彰子(27)
第11回(1985年) ④小山実稚恵(26)
第12回(1990年) ③横山幸雄(19) ⑤高橋多佳子(26)
第13回(1995年) ⑤宮谷理香(24)
第14回(2000年) ⑥佐藤美香(27)
第15回(2005年) ④関本昌平(20) ④山本貴志(22)
横山さん以降の人はほとんど知らない。日本人ピアニストももっと聴いてみるか…。
ちなみに、日本のピアノ(ヤマハ、カワイ)が公式ピアノに加わったのは1985年の第11回からとのこと。この年はブーニンが優勝し、日本武道館でのリサイタルを開いて、ちょっとしたブームになった年でもある。
「事件」もなんとなくは知っていたが、いろいろあって面白い。第5回では、アシュケナージが2位になったことに納得せず、審査員のミケランジェリがサインを拒否した。第10回では、ポゴレリッチが本選の残れなかったことに憤慨した審査員アルゲリッチが途中で帰国した。本選に残ったピアニストが聴衆からの嫌がらせで棄権してしまった、という嫌な事件もあったらしい。
そろそろ、日本人から優勝者がでないものかと思うのだが、残念ながら、世の中の論調はあまり芳しいものではないようだ。それでも、スポーツの世界ではけっこう日本人が頑張っているので、もしかしたら隠れた逸材がいるのではないだろうか。1年後が楽しみである。
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