このところピアノの本を読んでないなぁと思いつつ図書館でブラブラしていたら、『ピアノQ&A 136 (上)』という本が目についた。横山幸雄さんの本である。
読み物としても面白そうだったので読んでみた。ピアノを勉強している人からの質問に答えたものなので、参考になる点も多い。いくつかのポイントについてメモを作成した。
Qのついた番号は本の質問の番号に対応。ただし、タイトルは私自身の観点から独自につけたもの。『 』内は抜き書き部分。
Q4. プロとアマでの音楽の聴き方の違い
『一般の聴衆の方々がそのときの好みで判断することが許されるのに対し、僕(プロ)はあくまで音楽に対して普遍的な価値がどれほどあるかないかを見ようとする。』
→なるほどと思う反面、音楽の「普遍的な価値」って何だろうと考えてしまう。
もう少し身近な話としては、ピアノの先生をやっているうちのカミさんは、どうしてもそのピアニストの解釈とか弾き方とかが気になって、ピアノ音楽を聴いて純粋に楽しむことが難しいと言っている。
Q11. 訓練と楽しむことのバランスが大切
『(ピアノを学ぶ上では)訓練という部分と、感じとること、楽しむこと。この二つの要素のバランスが非常に難しいと思う。どちらかというと、まるで何かの修行のように訓練に重点を置きすぎている人が多いような…』
→これは私のような独習者にもいえること。音楽を感じる・楽しむためのやり方はないものだろうか?
Q33. メトロノームの意外な?使い方
『メトロノームは強拍に入れるのではなく、弱拍に入れて練習してほしい。それによってより正しいテンポ感を得られるからだ。』
→そうなんだ…、一度やってみるか。
Q36. 『小指を無理なく鍛える方法は?』
『ピアニストにとって、小指は重要な生命線と言っていいだろう。』
『小指の訓練なんて極端な話、ピアノを使わなくたってできるはずだ。』
→ピアノのための筋トレ大賛成派としては、心強いお言葉!である。
Q39. 『手首の脱力』
『手首は音楽の中の呼吸を表している』(ショパンの言葉)
→「呼吸」がなかなか難しいんですよね~、初心者には…。
Q47. ピアノの音量はボリュームの上げ下げとは違う
『ピアニッシモには、ピアニッシモの音の質感というものがある。例えばフォルティッシモで弾かれた部分のCDをどんなにボリュームを絞っても、ピアニッシモには聴こえない。』
→音の強弱に加えて「音の質感」が大きく作用する、ということ。
Q48. 「汚い音」の原因を知って改善すること
・ミスタッチによって他の音が混ざっている
・ペダルの踏みかえ不足により音が濁っている
・和音の各音のバランスが悪い(旋律と伴奏、ハーモニーなど)
・横の流れが悪く、デコボコしたり一本調子だったりする
Q50. 作曲家の求めている音色の質感の違い
『例えばブラームスは比較的低い音域に、音の響きを集めた書き方をしているが、これは厚みのある暖かい音色を意識したからだと思う。それに比べてショパンは、ずっとすっきりとした音色になるように、低い音域には音の響きを集めていない。また、リストは全音域にわたって効果的に音を散らすことによって、ピアノという楽器が一番よく鳴るということを知り抜いていた作曲家とも言える。』
→なるほど、作曲家がどんな音楽(音の響き)を求めていたのか、という観点は大切にしたい。
Q53. トリルの指使い(間違ってた!)
『原則的に白鍵二つで弾くトリルは、「2323」という指使いはしない。…音色のコントロールが非常に難しい。…「13」もしくは「1323」が多い。』
→これは知らなかった。いつも「2323」を使っていた。ちなみに、「1323」は長いトリルの場合に使うといいらしい。
Q54. 和音をきれいに弾くための意識
『和音のバランスが取れない理由としてまず第一に挙げられるのは、…広げることに力を使いすぎてしまって、打鍵するほうの意識がおろそかになるという場合であろう。』
→まさにその通りになっている。広げることに加えて、指の位置取りが難しい場合が多いので、打鍵する意識はたしかに「おろそか」になっている。気をつけよう。
Q64. 『ドビュッシーのペダル』
『ドビュッシーの作品の中でも、ある和音とある和音を重複させることによって、より重層的な、厚みのある、広がりのある響きを目指している部分もあれば、逆に絶対に濁ってはいけないという部分もある。』
→これは、まさにこれから勉強しようとしているところである。練習を始めたばかりの「アラベスク」の課題の一つは、まちがいなく「ペダル」である。
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