Qのついた番号は本の項番に対応。ただし、タイトルは私自身の観点から独自につけたもの。『 』内は抜き書き部分。
Q66. sf の表現方法
(ベートーヴェンの)sf (スフォルツァート)は『「エスプレッシーヴォの強調形」として書かれたものも多い』そうだ。
そしてピアノで表現する場合、『ちょうど弦楽器では発音する前に弓の動き始めの時間を少し長めにとるように、わずかにタイミングを遅らせることでも、sf の意味を表すことができる』ということである。ドイツ語では、最初の子音の発音時間を長くすることで、その言葉を強調することができる。それと同じニュアンスである。
Q67. バッハのフーガはやはり難しい
『音楽を形作るハーモニーは、各声部の独立した動きの重なり合いによって作られるため、音の横の流れと縦のハーモニーの両方に注意を払いながら、また、感じながら弾くという高度な芸当を求められる。』
→ピアノをちゃんとやってる人にも「高度な芸当」だとすると、私の場合は諦めるしかないのか…?(もう一度、今年中に再々々チャレンジしたいと思っているのだが…。)
Q70. 音楽をイメージする能力のつけ方?
『楽譜を見ても頭の中で音楽がイメージできない場合は、やさしい曲から始めるといいだろう。』
→初見に関するQ&Aであるが、私が気になったのはむしろ「音楽をイメージする能力」のこと。たしかに、バイエル・レベルの曲の楽譜を見て、音楽をイメージすることはできそうな気がする。
その練習で、少しずつ曲のレベルを上げていけば「音楽をイメージする能力」は向上するのだろうか?やってみる価値はありそうだ。
Q72. 『鍵盤を上げるタイミングによる音の変化』
この項目の元のタイトルは『原典版と解釈版の使い方』なのだが、ここでも別のことが勉強になった。
一つの音と次の音のつなぎ方によって多彩な表現が可能になるが、それは打鍵したあとの指の上げ方・タイミングが非常に重要になってくる、という話。鍵盤を上げるタイミングを気にしたことはあまりなかったので、すこし反省。
Q78. アナリーゼが必要な理由
『これはちょうど料理のレシピと同じようなもので、ただ「おいしい、おいしい」と食べていても何がおいしさの「素」になっているのかわからないし、まして同じものをつくることはできない。レシピがあれば、それらがなぜそういうふうに出来上がっているのかがはっきりし、より深く味わったり作ったりすることもできる。』
→アナリーゼ(分析)の中身とその必要性がよくわかるたとえである。ちなみに、アナリーゼの話はQ.76に出ており、この項はソルフェージュの話。(どうも私は、筆者の意図と違うところに反応するらしい…)
Q81. 『「音楽的」とは?』
『普段僕たちがしゃべっている日本語というのは、…日本語らしい抑揚とリズムを持って聞こえてくるから自然に聞こえてくるわけで…』『音楽においても「自然に聴こえてくる演奏」を「音楽的」と言っているわけで、ただ音符を読んで音を出しただけなら…』
→外国人のローマ字読みの日本語の不自然さと伝わりにくさが、音楽的でない演奏の不自然さと伝わりにくさの分かりやすい比喩になっている。
とすると、音楽のもつ「自然さ」(=音楽らしさ)を理解できる「耳」を鍛える必要があるということになる。これは、言語との比喩で考えると、「自然な」音楽をたくさん聴くことでしか得られないのかもしれない。
Q90. 『拍子(タクト)感をつけるためには?』
『強拍の持っている力というのは、基本的にはその前の弱拍から得られるものである…』『拍子感がおかしな人を見ていると、この「弱拍から強拍に行く流れ」がとらえられていない場合が多い。』
→これは一種の「目からウロコ」である。私自身、拍子感(リズム感?)がないと自覚しているので、「弱拍から強拍に行く流れ」というヒントはいいきっかけになるかもしれない。
また、強拍から始まる場合も『その前の音のない部分、息を吸っている部分が「無音のアウフタクト」を示している』と考えれば同じことだそうだ。
Q91. 「路面をとらえて走る」
この項は、無意識に速くなってしまうという悩みに答えたものである。私自身はむしろ遅くなってしまうので、直接は関係ないのだが、アッチェレランドのときでも『きちんと路面をとらえて走っている状況』である、という言い方が気に入った。
上滑りしたり、足がもつれるのではなく、常にコントロールしているということである。それができるとどんなにいいだろうと思うが…。
Q92. 『フレーズ感の出し方』
『フレーズが始まる前に息を吸い、一度始まるとそのフレーズの中の頂点や重心の音へ向かっていく。そして一度頂点に達したフレーズは、そこから終わりへと終息に向かっていく。』
→「呼吸」と(頂点へ向かう)「方向性」という二つの方向から考えること。
Q99. ラレンタンド&ア・テンポ
フランス近代(ドビュッシーなど)とドイツロマン派でのテンポの違いが、とても参考になる。
→フランス近代曲では、ラレンタンド自体のゆっくりする幅も小さく、ア・テンポするときも「少しゆっくりだったものがまた自然に動き出す」ようなものが多いそうだ。ドイツロマン派では「息をたっぷり吸って、さあ始めるぞと構えてから動き出す感じ」となる。
Q100. 『音楽的センスって何だろう?』
『演奏者に求められることの中で、技術的なこと以外のすべての要素である』
→では、何が演奏者に求められているのか?謎は深まるばかり…?
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