2014年6月28日土曜日

【ピアニスト】アンデルシェフスキ:シマノフスキ、ショパンはいい!

『現代のピアニスト30』人から、今回はピョートル・アンデルシェフスキ。1990年代活躍組の最後である。これで「いま聴くべきピアニスト30人」のうち、名前も聞いたことのない人は残り2人となった。1980年代のシュ・シャオメイと1960年代のリグットである。




■ アンデルシェフスキのプロフィール

KAJIMOTO の アーティストプロフィールからの引用。

ピョートル・アンデルシェフスキ(Piotr Anderszewski、1969年~)は、ポーランド人とハンガリー人の両親のもとワルシャワで生まれた。6歳でピアノの学習を開始。ワルシャワ音楽院に学んだほかに、リヨン音楽院やストラスブール音楽院、ロサンジェルスにある南カリフォルニア大学に留学した。

ドイツ作品の解釈に定評があり、また一方でシマノフスキやヤナーチェク、ショパンでも高い評価を得ている。それはディスコグラフィにも反映されており、グラミー賞にノミネートされた『バッハ:バルティータ第1番、第3番、第6番』や、2006年のFMグラモフォン賞を受賞した『シマノフスキ:ピアノ作品集』等がとりわけ名盤として挙げられる。最新のCD『シューマン:ソロ作品集』が、2011年のエコー賞、2012年のBBCミュージックマガジンのレコーディング・オブ・ザ・イヤーを受賞。

彼の唯一無二の芸術性は、映像作家ブルーノ・モンサンジョン(S.リヒテルやG.グールドのドキュメンタリーの制作者)を刺激し、ドキュメンタリー「アンデルシェフスキ・プレイズ・ディアベッリ・バリエーション」(2001)、「アンクワイエット・トラベラー」(2008)に結実。アンデルシェフスキ自身も多数の賞を受賞しており、4年に1度卓越したピアニストに与えられるギルモア・アーティスト賞にも輝いている。

2013/2014シーズンには、ゲヴァントハウス管、パリ管、フィルハーモニア管等と共演。スコットランド室内管とのヨーロッパ・ツアーでは、弾き振りを行う。ウィグモア・ホール、フランクフルト旧オペラ座等でのリサイタルのほか、バリトンのマチアス・ゲルネや、ベルチャ弦楽四重奏団との共演も予定している。

現在はリスボンを中心に世界各地に複数の生活拠点を置いている。


■ アンデルシェフスキのYouTube音源


バッハのパルティータ第1番、悪くはないが、やや音が硬質か? 技術的に達者なピアニストがきっちり弾いている感じ。バッハ(の曲)よりピアニスト(の技術)が前に出てきている感じ?がしないでもない。

※関連動画にシフの演奏があったので、こちらも聴いてみた。

♪ シフ:Bach Partita No 1 in B flat major BWV 825 Schiff
(追記@2022/05/23:視聴できなくなっている)

音の伸びやかさが違う。音につや(艶?)とか表情がある感じで、フレージングが柔軟でニュアンスに富んでいる。実にいい。やはり、今のところ私にとって最高のバッハ弾きはシフのようである。ティル・フェルナーも聴いてみたいが、YouTubeには見つからなかった。





シマノフスキの「メトープ - 3つの詩」、「1.セイレーンの島」「2.カリプソ」「3.ナウシカア」からなる。たぶん初めて聴く曲であるが、曲がなかなかいい。アンデルシェフスキの演奏も、バッハとは見違えるように表情豊かでいい、おそらく相性がいいのだろう。硬質な音質がシマノフスキとあっている? 同じポーランド人だから?


ヤナーチェク、これもいい。

♪ Chopin - 7 Mazurkas (Piotr Anderszewski)
追記@2022/05/23:視聴できなくなっている

ショパンのマズルカ7曲。Op.59の3曲、Op.63の3曲、Op.68から第4番。なかなかいい、ちょっとしっとり感、というか哀愁を感じるような演奏。そういえば、ショパンもポーランド人。


シューマンの「ペダル・フリューゲルのための練習曲(カノン形式の作品6曲)」という曲を、アンデルシェフスキ自身がピアノ曲(独奏)に編曲したもの。美しい小曲集である。ちなみに、この曲にはドビュッシー編曲による2台ピアノ版が存在するらしいので、あとで調べてみようと思う。


上の曲がよかったので、もう1曲シューマンを探して聴いてみた。フモレスケ Op.20、いいんじゃないかと思う。


ベートーヴェンの「ディアベッリ33の変奏曲」。1時間を越えるので全部は聴いてないが、演奏はわりといい。ややフォルテがやや耳障りだが…。


ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番変イ長調作品110第1楽章。演奏としては、まあ普通かな…。伝わってくるものをあまり感じなかった。


■ 感想・お気に入り度

作曲家(曲?)によって、かなり印象が異なる。弾き方はロマン派的、音はやや現代的?という感じか?

「ドイツ作品の解釈に定評」という部分には同意しかねるが、これも十人十色の感性があるということで、少なくとも私の好みではないというだけのことである。個人的には、むしろシマノフスキやショパンの方がいいと思う。ヤナーチェクは小品1曲聴いただけなのでまだよく分からない。シューマンも他の曲をもう少し聴いてみたい。現代曲を聴いてみたい気もする。

まだ十分に聴いたわけではないが、いくつか魅力的な演奏もあったので、とりあえずは「お気に入り」有力候補として残しておきたい。



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