『現代のピアニスト30』人から、今日はペーター(ペーテル)・ヤブロンスキーという人。アンスネス、ムストネンとともに「ピアニストの北欧三羽カラス」と呼ばれることもあるようだ。
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©Benjamin Ealovega |
■ ペーター・ヤブロンスキー(Peter Jablonski、1971-)のプロフィール
招聘会社の「プロ アルテ ムジケ」のプロフィール・ページから引用。
スウェーデン人とポーランド人の両親のもと、南スウェーデンに生まれる。5歳でドラムを、6歳でピアノを始め、たちまち非凡な才能を発揮。当初はドラムにのめり込み、9歳の頃には著名なジャズフェスティヴァルにも出演し、マイルス・デイヴィスから賛辞を受けるほどの活躍をみせる。
クラシックピアノは、11歳でソロデビュー、翌年にはモーツァルトのK453でコンチェルトデビュー。この頃、ピアノとパーカッションの更なる研鑽を積むべくマルメ音楽アカデミーに入学。
その後、英国王立音楽大学にてピアノと指揮を学ぶ。在学中、アシュケナージの目にとまり、アシュケナージ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団との共演でDeccaからCDデビュー。2年後、再びアシュケナージ指揮ロイヤル・フィルとショスタコーヴィチのコンチェルト、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲、ルトスワフスキのパガニーニの主題による変奏曲を収録、このCDはエディソン・クラシック音楽賞最優秀コンチェルトレコーディング賞に輝いた。
デビュー以来、世界のトップオーケストラと共演はおびただしい数にのぼる。室内楽での活動も盛んで、南スウェーデン、カールスクローナ室内楽フェスティヴァルの芸術監督を務める。
1997年、ヴォイチェフ・キラールから献呈されたコンチェルトを世界初演し、オルフェウス賞受賞。2005年、スウェーデン国王より文化功労章メダル(Litteris et Artibus)授与。
■ ペーター・ヤブロンスキーのYouTube音源
リムスキー・コルサコフの「熊蜂の飛行」。上で紹介したプロフィール・ページの最初に載っていたのでまず聴いてみた。うまいが、この曲だけではピアニストの真価は分からない。
ショパンのマズルカ。普通にきれいに弾いているが、あまり面白くない?かも知れない。
ドビュッシーの「映像 第1集」から「水の反映」。あまり印象に残らない。
ショパンやドビュッシーよりも、プロコフィエフの方があっているようだ。
同じプロコフィエフのソナタ第7番の3楽章の演奏がいくつかあったので聴き比べてみた。
ヤブロンスキー
きれいに弾いているのだが、やや物足りなさを感じる。
アルゲリッチ
リシッツァ
やはり、アルゲリッチは迫力があり最後まで聴かせる。リシッツァもアルゲリッチとは違う面白みのある活き活きとした演奏を聴かせてくれる。比較すると、ヤブロンスキーはきれいに弾いているがおとなしい感じ。まぁ、このあたりは好みの問題かもしれないが…。
●ヴォイチェフ・キラール:ピアノ協奏曲
1997年にヴォイチェフ・キラールからヤブロンスキーに献呈されたピアノ協奏曲である(世界初演)。これでオルフェウス賞というのを受賞したらしいので聴いてみた。
第1楽章は「ミニマル・ミュージック」っぽくて、第3楽章はプロコフィエフみたいで、曲としては好みである。
参考:「ミニマル・ミュージック」は《読書メモ:耳で考える》で、久石譲さんの説明を引用したことがある。
■ 感想・お気に入り度
「アシュケナージの目にとまり」というところで期待して聴いたのだが、少なくともYouTube上ではこれといった演奏を聴くことができなかった。ピアノは達者なのだが、なぜか面白み?というかひきつけるものが感じられない。
最近気に入っているバレンボイムの言葉に次のようなものがある。「新しい音楽を演奏するとき、はじめに要求されるのは明快さだ。面白く聴けて、テクスチャに透明性があり、強弱の関係がじゅうぶんに解決されていること」。
これを音楽を「聴く」場合に言い換えて、「面白く聴けて、音に明快さと透明性があり、最後までひきつけるものがあること」として、私自身、音楽を聴くときの一つの判断基準としている。とくに「面白く聴けて」というところが気に入っている。
そういう基準で言うと、ヤブロンスキーの演奏は、私には「面白く」聴くことができなかった。ただし「同時代人の音楽」を積極的に弾いている姿には共感した。今後に、とくに現代曲の演奏に期待したい。
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