2014年6月26日木曜日

【ピアニスト】アレクサンドル・タロー:好みが分かれる「ゆったり感」?

『現代のピアニスト30』人から、今回はフランスのアレクサンドル・タロー。

どうでもいいことだが、フランスには、ジローさん(マリー=カトリーヌ・ジロー →《マスター・クラスのスケジュール発表!(ラ・フォル・ジュルネ)》もいて、日本人としてはなんとなく親しみを感じる。




■ アレクサンドル・タローのプロフィール


アレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud、1968年~)は、パリ国立高等音楽院卒業。89年ARDミュンヘン国際音楽コンクールで第2位、以来国際的な演奏活動を展開。現代フランスを代表するピアニストの一人で、特に優れたCD録音が注目を集めている。

近年はハルモニア・ムンディのアーティストとしてフランス作品を中心に数々の録音をリリースし、ラモーの「新クラヴサン組曲」は非常に高い評価を得ている。ラヴェルのピアノ作品全集(世界初録音2作品を含む)は、2003年アカデミー・シャルル・クロ・グランプリ、ディアパソン金賞を受賞したほか、モンド・ドゥ・ラ・ミュジク誌、クラシカ誌、BBCミュージック・マガジン、フォノ・フォルム誌などの主要音楽誌上で絶賛された。09年1月、最新CDとしてサティの作品集をリリース。

ソリストとして、ケルン・フィルハーモニー、ロンドンのサウスバンク・ピアノ・シリーズ、パリのシャンゼリゼ劇場およびシテ・ドゥ・ラ・ムジーク、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ワシントン・ケネディ・センターを含む欧米の主要コンサートホールに招かれリサイタルを行うほか、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノフェスティバル、BBCプロムス、ルフトハンザ・バロック音楽祭などにも出演。意欲的なプログラムで常に注目を集める。07年1月の東京公演ではラモーとクープランを組み合わせて賞賛を受けた。近年はジャン=ギアン・ケラスと多くデュオを組み、公演およびCD録音を頻繁に行っている。バイエルン放送響、ミュンヘン放送管、フランス国立管など著名オーケストラとの共演も多数。


■ アレクサンドル・タローのYouTube音源

「亡き王女のためのパヴァーヌ」。う~ん、きれいだけど少し「まったり」感があるかな…。私のイメージするラヴェルとは少し違う。

ラヴェルの「ソナチネ」、これも少し物足りない。やや軽くてすべる感じ。キラキラ感はほどほどにあるものの、メリハリがもう少しほしい。

ショパンのノクターンだが、私の感覚よりゆっくりしたテンポ。豊かに歌う感じはいいかも、と思いながら聴いているうちに少し飽きてきた。やや一本調子か?

プーランク、これは悪くない。あまり聴いたことのない曲なので、先入観がないのがよかった?

ドビュッシーの「前奏曲集 第1集」から「パックの踊り」、いいと思う。

最後に、評価の高いといわれるラモーを聴いてみた。曲自体をよく知らないので何ともいえないが、私の好みではなかった。丁寧にきちんと弾いている雰囲気は好感がもてる。


■ 感想・お気に入り度

フランス人ピアニストということで期待して聴き始めたが、最初に聴いたラヴェルがわたしの好みではなかったことで第一印象の点数が下がってしまったかも知れない。次に聴いたショパンも、アシュケナージの演奏に慣れてしまった耳にはテンポ感でやや違和感があった。

比較的よかったプーランクとドビュッシーも、とても惹かれたかというと、そこまでの感覚はない。ラモーは曲自体たぶんはじめて聴くのだが、曲も演奏もピンとこなかった。

全体的に、抑え気味のゆったりした弾き方が多いような気がする。それはそれで、一つのスタイルだとは思うが、どうも私の好みではないようだ。


いろいろなピアニストの演奏を聴くと、だんだんと自分の「好み」が分かってきて面白い。自分自身で思っていたことと違って、少し派手めの、表現がはっきりした演奏にひかれることが多い。

世間の評価と違う感想を持ってしまう自分の耳が少し不安になるが、まあ十人十色ということで、ここは自分の感性を信じるしかない。今回は、残念ながら私の「お気に入り」にはならなかった。



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