《鍵盤音楽史:バッハ以前》の作曲家 14人目は、ヨハン・パッヘルベル(Johann Pachelbel, 1653-1706)。
ブクステフーデ(1637-1707)と並び、J.S.バッハ以前のドイツを代表するバロック中期の重要な作曲家の一人。南ドイツ・オルガン楽派の最盛期を支えたオルガン奏者で、コラール前奏曲やフーガの発展に大きく貢献した。
「パッヘルベルのカノン」で有名だが、それ以外の曲が思い当たらない…(^^;)。
ヨハン・パッヘルベルは、1673年からウィーンのシュテファン大聖堂の次席オルガン奏者の職につき、1677年にはアイゼナッハの宮廷オルガン奏者となり、J.S.バッハの父と知り合った。J.S.バッハの兄、ヨハン・クリストフ・バッハの指導もしている。
1695年に生まれ故郷のニュルンベルクに戻って聖ゼーバルドゥス教会のオルガニストとなり、生涯をそこで過ごした。
パッヘルベルはオルガン奏者として非常に有名であり、宗教曲・非宗教曲を合わせて200曲以上の器楽曲を作曲している。声楽曲でも約40曲の大作を含む100曲ほどが残されている。わずかに室内楽曲も存在する。
オルガン曲では「コラール変奏曲」「コラール前奏曲」が多数ある。コラールを一行ごとに区切り、その旋律の縮小形による模倣から主旋律に入る「パッヘルベル・コラール」と呼ばれる様式を確立し、J.S.バッハなどに影響を与えた。
「パッヘルベルのカノン」の原曲は「3つのバイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調 P.37」であるが、これは 20世紀になって出版され有名になったもの。
「カノン」以外の代表曲を知りたくて色々調べたり聴いたりしたが、残念ながら、あまりこれという作品には出会えなかった。
代表曲という意味では、「ヤマハの楽譜出版」というサイトの下記ページが一つの参考になるかも知れない。少なくとも日本で楽譜が出版されている曲が載っている。
一応、転記しておく。ただ、トッカータやフーガなどは沢山の作品があるので「ハ長調」だけではどの曲か区別ができない…(^^;)。こういう表記は改められないものだろうか?
体系化されてはないが、一応 Jean M. Perreault による「P番号」というのも存在していて、有名な「カノン」は P.37 などと番号がついているのだが…。
- アポロの六弦琴(6曲のアリア)
- ガヴォットと2つのヴァリエーション イ短調
- 組曲 ト長調
- 組曲 ハ長調
- プレリュードとフーガ ニ短調
- トッカータ ハ長調
- トッカータ ホ短調
- ファンタジー イ短調
- ファンタジー 変ホ長調
- ファンタジー ト短調
- 95のマニフィカトによるフーガ
- フーガ ハ長調
- フーガ ニ長調
- フーガ ニ短調
- リチェルカーレ ハ短調
- リチェルカーレ 嬰へ短調
- シャコンヌ ニ短調
以上、主な出典は下記。
YouTube で拾い聴き?した範囲で、比較的気に入ったのは下記。「アポロの六弦琴」の 1曲目と 6曲目。もしかすると演奏者 Borsányi Márton(ボルシャーニ・マールトン)がいいのかも?
「アポロの六弦琴」全曲演奏の音源は下記。
オルガンで比較的気に入った音源をいくつか挙げておく。
一応「パッヘルベルのカノン」も聴いてみた。
オリジナル版の演奏はこれ。一番好きかも…♪
そして、この曲を広めたのがパイヤール室内管弦楽団の演奏(↓)だとのこと。
ピアノ演奏は、実はこれといった演奏が見つからなかった。どうも、ポピュラー過ぎて BGM みたいな曲になってしまっているのかも。編曲も多くて訳が分からない…(^^;)。
…ということで、10曲近くの試し弾きもしてみたのだが、弾きたいと思う曲もなく、なんだか疲れてきたので、今回はこの辺でやめることにした。
パッヘルベルの鍵盤音楽の一覧表として使えそうな CD を見つけたので、最後にその情報をメモして、この記事は終わりにしたい…。
この 13枚の CD に収録された曲目は下記サイトにあって、ある意味でパッヘルベルの鍵盤音楽作品の一覧になっている。上述した「P番号」も付いている。
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